人材開発に関する最新情報をお届けいたします
(2018/03/12)
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組織変動に伴う労働関係上の諸問題に関する調査―労使ヒアリング調査編―
【JILPT 独立行政法人 労働政策研究・研修機構】
http://www.jil.go.jp/institute/siryo/2018/documents/196.pdf

労働政策研究・研修機構「資料シリーズ」より。組織変動の7つの事例について、変動の主要背景、プロセス、その過程における労使関係等を考察した。主要背景は、「分割部門業績悪化・他社同業部門との統合再編」、「分割部門専業化・他社同業部門との統合再編」、「分割益活用・選択事業集中戦略再編」、「分割部門と異種部門子会社との統合シナジー効果再編」、「分割部門と同種部門子会社との統合シナジー効果再編」、そして「不採算部門切り離し同業他社への譲渡再編」という類型に分けることができる。 労働組合は、分割の際に、法律に規定されている「理解と協力(労働契約承継法の「7条措置」)」の履行において、その担い手として、適法性の確保における重要な役割を果たしている。また、組合は、組合員の再編情報に関する理解度の向上、再編の円滑な履行の確保、組合員の企業への求心力の向上および納得性の向上、さらに企業の健全経営への催促等の役割も果たしている。こうした役割は、過半数組合ではない場合、制限されている。「理解と協力」の内容は、法律の中には明記されていないが、多くの場合、事実上の同意に等しいものであった。


喫煙・肥満と労働市場成果
【REITI 独立行政法人 経済産業研究所】
https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/18j010.pdf

経済産業研究所「ディスカッション・ペーパー」より。本稿は、日本における喫煙・肥満と労働市場成果および主観的幸福度の関係について、サーベイ・データに基づく観察事実を提示するものである。その結果によれば、第1に、各種個人特性をコントロールした上で、喫煙者の賃金は男女とも非喫煙者に比べて有意に高い。これは先行研究や社会通念と異なる予想外の結果である。また、喫煙者は非喫煙者に比べて就労率が有意に高い。第2に、男性では肥満の賃金ディスカウントが観察されるが、女性では確認されない。先行研究は女性において肥満賃金ディスカウントが顕著なことを示すものが多く、意外な結果である。第3に、女性の場合、喫煙および肥満は、低い生活満足度・仕事満足度と関係している。


定年制の廃止はなぜ難しいのか
【株式会社 エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所】
http://www.keieiken.co.jp/pub/yamamoto/column/column_180301.html

NTTデータ経営研究所「コラム・オピニオン」より。日本では、なぜ定年制の廃止が難しいのか。第1に、定年制を廃止しようとする場合、若年層、中堅層、高齢層を公平に扱う制度・慣行の確立が必要となる。これには個別企業の努力だけでなく社会制度・慣行の改革が欠かせないが、関係者の利害が錯綜しやすく、政治的に手をつけにくいのが実情だ。定年制廃止が難しい第2の理由は、従来、定年制の見直し(定年延長)が年金受給開始年齢の引き上げとワンセットで行われてきたことと関連する。そうした経緯を踏まえ、一部には、定年制の見直し(定年延長)は今後も受給開始年齢の引き上げにあわせて行うべきだとの主張がある。この理屈に立てば、定年制を一方的に廃止することは、将来の受給開始年齢の引き上げを難しくしかねず、避けるべき選択肢となる。だが、これはやはり本末転倒だろう。人々の働く期間を年金制度の変更のタイミングで縛るのは、合理性を欠く。とはいえ、政治的に一つの真実を含んでいることも事実である。政治的なリスクは残るが、そろそろ定年制と年金受給開始年齢を切り離し、法律による定年制の廃止を真剣に検討すべき時ではないか。それが健全な社会というべきだろう。


経営持続に不可欠な中小企業経営者の企業家としての役割―生産性向上による稼ぐ力を常に意識する企業家マインドこそがカギ―
【信金中央金庫 地域・中小企業研究所】
http://www.scbri.jp/PDFsangyoukigyou/scb79h29F17.pdf

信金中央金庫「産業企業情報」より。休廃業・解散の増加などによる中小企業数の大きな減少は、中小企業において構造変化対応が進んでいないことを示している。このため、中小企業の生産性向上による稼ぐ力の再構築は重要なテーマであり、経営者にはチャンスに挑戦する企業家マインドが求められる。経営者の企業家マインドによる生産性向上で収益体質を獲得した中小企業事例として、プラモデルメーカー向け金型製作から職人の技と機械化の融合で高採算の他市場に進出した株式会社秋東精工と、伝統製法の高品質を武器に小規模ながら採算重視で全国から海外にまで販売を拡大するこんにゃく製造販売の有限会社石橋屋を紹介する。事例企業では、経営者の成育環境を通じた事業への肯定的な刷り込み、冷静な視点のあるポジティブ思考、達成感などが企業家マインドを醸成し、生産性向上をもたらしている。


自営業者の働き方の実態―Works Indexからの考察―
【日本政策金融公庫】
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/ronbun1802_06.pdf

日本政策金融公庫「日本政策金融公庫論集」より。近年、自分の専門性を生かしてフリーランスとして働く自営業や、将来の自営業者の増加につながる可能性がある副業としての自営業に、注目が集まっている。そこで本稿では、自営業者の働き方の実態について、リクルートワークス研究所が作成しているWorks Indexという働き方の状態を示す指標をもとに概観した。主な結論としては、自営業者は就業の安定や生計の自立は雇用者よりも望ましい状況とはいえないが、ワークライフバランスやディーセントワークにおいては望ましい状況といえることがあげられる。具体的には、残業時間が短い、勤務時間や場所の自由度が高い、仕事量や負荷が適切、差別やハラスメントがない職場、安全な職場で本人も健康、といった項目では雇用者よりも望ましい結果であった。その一方で、休暇が取得できているについては雇用者よりも望ましい状況とはいえず、休暇の取得に関しては雇用者よりも不自由であることが明らかになった。


「勤務先のダイバーシティ推進」調査結果を実施
【ランスタッド 株式会社】
https://www.randstad.co.jp/wt360/archives/20180305.html

ランスタッドの調査。「勤務先がダイバーシティ推進に取り組むこと」を「大切と考える」と答えた割合は20代女性が54.5%と全体の39.1%に比べ15ポイント以上も高い結果となり、属性別にみると最も重視する傾向が明らかになりました。「勤務先がダイバーシティ推進に取り組むこと」について、「どちらとも言えない」、「わからない」と答えた割合は全体の50.4%という結果に。日本において、勤務先のダイバーシティ推進に対する関心が低いという実態が明らかになりました。「勤務先がダイバーシティ推進に積極的に取り組んでいるか」という質問に対して「積極的に取り組んでいる」と答えたのは「金融業・保険業」が35.9%と2位「情報通信業」23.0%に10ポイント以上の差をつけました。「勤務先がダイバーシティを推進する理由」を聞いたところ、「労働力人口の減少に対応するため」と回答したのは「運輸業・郵便業」が全体と比較すると3倍近く多いことが明らかになりました。厚生労働省が発表した2017年11月の新規求人(原数値)を産業別に見ると運輸業・郵便業が前年同月比12.7%増と、全体の5.5%を大きく上回り、最も増加しています。


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