人材開発に関する最新情報をお届けいたします
(2017/09/11)
毎週更新


イノベーション推進のための経営行動指針―トップマネジメントによる決断と実行を―
【公益社団法人 経済同友会】
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/uploads/docs/170908a.pdf

経済同友会の提言。経済同友会では、経済成長の牽引役であり企業競争力の源泉となるイノベーションを民間企業主導で創出するために、企業、国、大学がそれぞれ取り組むべき具体的な「23の方策」を提言として取りまとめて、2014年2月に発表した(以下、「23の方策」)。「23の方策」以降は、その実現に向け、継続的なフォローアップ、その過程で新たに発掘された課題に対する方策の修正・追加、いわゆる PDCA(Plan、Do、Check、Action)サイクルを回すことに重点を置いて活動を展開してきた。さらに、その一環として2016年7月に提言を取りまとめるとともに、引き続き委員長等が政府の各種会議体に委員として積極的に参加し、繰り返し提案や啓発活動を行ってきた。このような継続的な活動が実り、政府等においてもイノベーション促進のための施策や環境の整備が進みつつある。そして、これまでの関係者の取り組みがようやく実を結び始め、企業の自前主義からの脱却、オープンイノベーションの取り組み、大学との共同・委託研究拡大などに関する理解が広まり、機運も今までになく高まっている。本提言では、5年間の活動をまとめ、上記2つの提言のフォローアップとして、政府等の環境整備を含む実績と残された課題の整理を行った。


『働き方改革の実態調査2017〜Future of Workを見据えて〜』調査結果
【デロイト トーマツ コンサルティング 合同会社】
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/human-capital/articles/hcm/workstyle-survey2017-result.html

デロイトトーマツコンサルティングの調査。働き方改革を実施済/実施中の企業が、2015年調査と比較して34%から73%へと倍増しており、改革に対する関心が高まっている。生産性の向上を目的に掲げる企業は87%に及び、次いで76%が従業員の心身の健康の向上を、74%が従業員満足度の向上としており、生産性だけではなく従業員にとっての価値を生み出そうとする傾向が出ている。49%の企業が働き方改革による効果を実感しているが、従業員の満足が得られている企業は28%にとどまっている。働き方改革のKPIを設定し定期的にモニタリングを実施している企業の85%が働き方改革による効果を得ており、KPI未設定企業の2.5倍以上となった。長時間労働は仕方がないという雰囲気がある企業が59%を占めており、長時間労働を是とする風土は依然として解消されていない。女性従業員・管理職比率の数値目標を設定している企業はそれぞれ50%超だが、うち40〜50%の企業で目標に対する進捗に遅れが生じている。働き方改革の施策としてパフォーマンス・マネジメントの見直しを検討済/検討中の企業は半数で、具体的な検討内容で最も多いのはカウンセリング・コーチング、ついで短サイクル・高頻度な目標設定であった。


生産性向上は人口減少社会の切り札か
【三菱UFJリサーチ&コンサルティング 株式会社】
http://www.murc.jp/thinktank/economy/overall/japan_reg/watch_1709.pdf

三菱UFJリサーチ&コンサルティング「調査レポート」より。生産性の向上は、概念上は供給サイドの問題であり、省力化投資や情報化投資を行うことによって実現することになるが、現実の世界では生産性を向上させるカギは需要の拡大だ。人口が増加している時には、需要も拡大してくるので生産性が向上し、経済成長率も高まってくる。これに対して、人口が増えない、あるいは減少している時は、需要が拡大しないので生産性の向上は難しい。結果として経済成長率も低くなる。そうした現実を無視して投資を拡大して生産性を向上させようとしても、バブルの時のように過剰供給力を抱えるだけだ。人口が減少する時代に需要を増やしていくには海外の需要を取り込まなければならない。つまり輸出の拡大だ。これを実現するために必要なことは競争力を高めることだ。人口減少時代を迎えた日本経済が成長していくには、生産性よりも競争力の向上が必須だ、ということになる。


賃金構造の潜在的多様性と男女賃金格差―労働市場の二重構造分析再訪
【REITI 独立行政法人 経済産業研究所】
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/17j057.pdf

経済産業研究所「ディスカッション・ペーパー」より。日本の労働市場は3種の異なる賃金体系を持つ潜在的労働市場の混合物であり、その多様性に最も強く影響を与えるのは正規雇用・非正規雇用の別で、企業規模、産業、学歴の区分も多様性に大きく関わっていることを示す。大卒や従業員300人以上の企業を中心とする約35%の雇用を特徴づける労働市場は、正規雇用中心の労働市場で人的資本の賃金への見返りが大きく、直接的な男女賃金格差を生む傾向は比較的少ないが、同時に正規雇用者の勤続年数の男女差が比較的大きく、女性は勤続年数が短い分不利になる労働市場である。他方中企業(従業員30−299人)雇用者、短大・高校卒を中心とする約60%の雇用を特徴づける労働市場は、平均賃金が比較的低く、また最も大きな男女格差が生じている市場で、とりわけ男女賃金格差が、勤続年数と共に大きな差を生む労働市場である。


2017年度<18年卒>キャリア・就職支援への取り組み調査
【株式会社 マイナビ】
https://saponet.mynavi.jp/wp/wp-content/uploads/2017/09/career_2017.pdf

マイナビの調査。キャリア教育の実施の有無については87.5%の大学で実施。実施回数を前年より「増やしている」大学が15.5%で引き続き増加傾向にある。一方、開始時期には特に大きな変化は見られず1年前期に取り入れている学校が全体の約7割となり、低学年早期からのキャリア教育(正課)が定着してきたようである。また、現行のスケジュールに対し、キャリアセンターとして今後取り組む予定のものを聞いてみると、「低学年からのキャリアプログラム(インターンシップ以外)の拡充」と回答する大学が7割近くあり、3年次の3月の広報活動開始までに、早期から学生たちにキャリア教育を行い、社会人になるための素地を作っていこうという流れが感じられる。大学で実施する、単位認定等を行うインターンシップの有無に関しては、8割の大学が「ある」と回答した。また、インターンシップの経験が学生の就職活動結果に良い影響を及ぼすと思うかという質問では「(非常に+一定)の効果があると思う」という回答が95.7%にのぼり、なんらかの形でインターンシップが就職活動結果に影響をもたらしていることは明らかなようだ。


「見つめ直す経営」で飛躍する中小企業
【株式会社 日本政策金融公庫】
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/ronbun1708_03.pdf

日本政策金融公庫「日本政策金融公庫論集」より。本稿では、「データを使って経営活動に関する身近な事象をとらえ、周囲と共有しながら事業の改善につなげる経営」を「見つめ直す経営」と定義し、「販売戦略」「生産管理」「間接部門」の各分野で見つめ直す経営を実践している中小企業の事例を調査、分析した。分析の結果、見つめ直す経営に取り組んでいる中小企業は競争力の源泉である独自性を追求しながら生産性を向上させることで、売り上げの増加や利益率の向上といった定量的な成果をあげていることがわかった。また、得られた成果は業績面だけにとどまらないことも明らかになった。経営を見つめ直した先にあるものは、数値で捕捉できる「業績の向上」に加え、ただちに数値には表れない「職場環境の改善」「社外への波及効果」の三つに整理できる。「見つめ直す経営」にチャレンジすることは小さな企業にとっても決して高いハードルではないし、成功すればその効果は企業の姿を根本から変えることもある。経営を見つめ直すことで既存の殻を破り、高次元のステージに飛躍できる企業も多いはずだ。


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