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就職指導の現場から・2018夏(1)
 最早、何の意味も感じなくなった6月1日の就活、「採用選考開始日」。大半
の企業が選考済の学生を集めての儀式、というより、他社の選考に行かせない
ための拘束日、改めて内定を出したことの確認…などに費やしたようである。

 丁度、5月下旬に今期の授業の進め方の打合せに大学にいくと、私が来るこ
とを知り、内定報告の学生が15人くらいと会えた。大半の学生は熱心に授業や
就職合宿に取り組み、温度差はあっても「やるべきことはやった組」なので当
然、内定はゲットしていた(だから大手を振って会いに来たともいえる)。そ
れも大半が複数内定を持っていて、企業名を聞いて、6月1日の修羅場が想像で
きた。

 少なくともこの学生たちが持つ内定の15社から20社分が辞退となるのだ。企
業側も大変だが、就職課の逆お詫び行脚もあり、共に辛い状況が待っているの
だ。

 内定をゲットして嬉々としている学生を横目に、来るはずの学生(指導した
中でもいろいろな面で目立っていた学生や手間がかかった学生など、気になる
存在の学生エトセトラ)がいないことに気がつく。打合せの席で就職課の職員
にそうした学生の近況を聞くと、「行方不明」「ブランド就職で全滅」「Web
テストで撃沈」「就職よりも留学」といった、こちらからすれば予期せぬ回答
が続々と返ってきた。

 現状、誰もが就職できる時代、数字的にはほぼ全入の時代である。
 だが、残念ながら全員が希望通りの就職先に就職はできない。そこには現実
に学生の“二極化”がますます拡がっているように思える。結局、その二極化
の一極の一人になってしまう学生も多い。

 10月以降、今年の指導が待っている。
 少しでも一極に入れる努力をしなければ…。


             (2018/07/09 人材開発メールニュース第981号掲載)


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