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働き方改革−働きやすさと働きがい
 「働き方改革関連法案」の審議が佳境に入っています。働き方に関して、法
律的なルールも勿論大事ですが、今現場で取り組むべきことを見直す機会だと
考えられます。

 働き方改革では、労働時間や休日休暇、賃金など労働条件に関する「働きや
すさ」をどう確保するかという議論が目立ちます。確かに労働生産性を向上さ
せるためには、できるだけ多くの人に保有する能力を存分に発揮してもらう環
境づくりが求められ、そのためには「働きやすさ」を確保する必要があります。

 しかし、「働きやすさ」だけを変えても、ハーズバーグの「動機づけ・衛生
理論」でも示されているように、不満は多少解消されるのかもしれませんが、
労働生産性を力強く後押しする要因にはなり難いと考えられます。

 働き方改革で本当に考えるべきは「働きがい」だと言えます。「働きがい」
とは、従業員の方々が「ここに居たい」「この会社(職場)で働きたい」「こ
の仕事をしたい」という思いを持つことです。「どうすれば、働きがいが高ま
るのか」、働きがいの追求こそが、労働生産性向上のカギになります。

 働きがいを高める一つの方法として働きやすさを整備するという考え方が必
要です。働きがいを考えないままに働きやすさの議論になると、ただの条件闘
争になるのでははないでしょうか。

 働きがいは一人ひとり異なります。一人ひとりの働きがい全てに対応できる
わけでもないと思いますが、まずはどんな思いを持って働いているのかを知る
ことが求められます。自社(組織)に適した働き方改革を進めていくためには、
今いるメンバーとのコミュニケーションから始まるのではないでしょうか。


             (2018/06/18 人材開発メールニュース第978号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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