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改めて問われるヒトに対する一貫性
 今年も新卒の採用活動が解禁されました。一部調査では既に内定率が4割を
超えていると報道されているように、空前の売手市場になっています。

 採用が厳しくなればなるほど、人材育成に関する期待が高まります。しかし、
人材育成も、人材の多様化が進む中で、今までと同じような方法では思うよう
な効果が得られないことも増えています。今まで以上に一人一人に合った、状
況に応じた人材育成が求められています。

 採用や育成を進めていく上で人材戦略の再構築が求められています。今この
組織において何を優先すべきかを明確にする必要性が高まっています。
 例えば「適材適所」「適所適材」という考え方があります。「適材適所」と
は、人材の能力や特性を評価して、ふさわしい地位や仕事に配置することであ
り、一方「適所適材」は、仕事(業務・職務)内容や求められる資質を明確に
して、それに合う人材を配置することです。適材適所は、その人にとって最適
な仕事(業務・職務)を組み合わせることであり、一方の適所適材は、その仕
事(業務・職務)職務にとって最適な人を組み合わせることになります。

 適材適所という考え方で進めるのか、適所適材と言う考え方で進めるのか、
組織の中で一貫性が無ければ、採用や育成がより困難になります
 どちらが良い・悪いではなく、どちらが適しているかと言うことになります
が、当然環境が変化する中で、優先するものが変わることもあります。

 いずれにしても、現時点で何を優先するのか、トップと現場で統一感・一体
感がなければ、採用や育成が機能しなくなります。組織の規模の大小に限らず、
人材戦略・ヒトに対する考え方が現場まで浸透しているかどうかが問われてい
ます。
 小さなチャンスを活かすためにも、人に対する考え方が浸透しているのか、
今一度確認することも必要だと言えます。


             (2018/06/04 人材開発メールニュース第976号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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