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人手不足と人手の余剰〜複雑に織りなす時代
 ご存じの方も多いと思うが、森下仁丹が募集した「第四新卒」。
 応募者が2千人に達したという。

 経営幹部候補の即戦力確保が狙いで、40代−50代がターゲットだったようだ
が、20代−70代と幅広い年齢層からの集まったという。同社では会社を3年程
度で辞めて転職する「第二新卒」、大学院の博士課程修了(ポスドク)を「第
三新卒」と呼ぶことを踏まえて、社会経験が豊富な人材を「第四新卒」として
ネーミングしたという。確かに目を引くネーミングで、話題にもなる。

 折しも、伊勢丹三越HDが来年度からバブル期入社の幹部を狙い撃ちにしたよ
うな人員削減策も始める。バブル期に大量入社した社員が50代に差し掛かり、
一部では「お荷物」社員などと呼ばれる時代である。
 また、三菱UFJファイナンシャル・グループが今後10年程度で1万人程度の人
員を削減すると報道されたばかりである。因みに、人材紹介会社に勤める友人
によると、このところ銀行員の登録が増加しているという。

 そんな中でも「第四新卒募集」、採用は数人程度で倍率は200倍を超えると
のことだが、朗報ともいえる。

 転職求人サイトDODAのCM、「条件は今よりいい会社。以上。」というキッパ
リ感のある台詞が印象深い。国内経済の成長余地は減少し、ITやAI技術の高度
化によって仕事も仕組みも変化はますます激しく速くなるだろう。また、東京
五輪以降の“宴の後”も懸念材料である。

 人手不足と人手の余剰、相矛盾する事柄が複雑に織りなす時代に突入したと
いうことだろう。


             (2018/02/12 人材開発メールニュース第961号掲載)


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