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多様性を活かすフィールドルールの必要性
 益々人材が多様化する中で、マネジメントが難しくなったという話題をよく
聞きます。多様な人が、多様な想いで働く中で、どう合意形成を図っていくか、
組織のパワーとして発揮していくか、マネジメントの大きな課題です。

 余談ですが、多様、多様性という言葉は、「色々、バラバラ」というイメー
ジがありますが、全く別物・異質ではなくて、つながりの中に違いがあるとい
うことが多様(性)の本来の意味です。勿論、どこまでをつながりと考えるか
という難しさは残ってますが、組織においては、都度目的に応じて、多様性を
考える必要があるのではないでしょうか。

 マネジメントが上手い人や組織を見ていると、合意形成のレンジが丁度いい、
しっかりしている感じです。みんなバラバラに走っているけど、大よそ同じよ
うな方向を走っている感じです。よく「羊飼い」が例として挙げられますが、
まさしく羊一頭、一頭の歩みの方向や速さは微妙に違っていながら、全体とし
ては同じ方向に進んでいる感覚です。

 逆に上手くいっていないところは、レンジが狭かったり、逆に広すぎたりす
る感じです。レンジが狭ければ、窮屈な感じになり、無理だと思った瞬間に脱
走が始まります。逆にレンジが広すぎるといつまでたっても集まらずに目的地
にたどり着けないこともあります。いずれにしても目的地にたどり着けないこ
とで、新たなリスクにさらされることが増えていきます。

 多様性=何でもありではなく、多様性を活かすためには、この場(フィール
ド)の目的・ルールを決定・浸透させることが必要です。併せて一度決定した
ら終わりではなく、決定後の反応を見ながら再度目的に合ったルールなのかを
検証し続けることが必要です。目的・目標に近づくために、それぞれが歩むこ
とが可能なフィールドルールを決めることがマネジメントおいて益々重要にな
るのではないでしょうか。


             (2018/02/05 人材開発メールニュース第960号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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