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“働き方改革”社内プロジェクトに参加して
 縁あって、某企業(社員200人、不動産業)の“働き方改革”社内プロジェ
クト的なものに昨年9月から関わっている。関わっているといっても社会保険
労務士などの専門家と一緒にオブザーバー的に参加して、議論に側面から助言・
支援する程度である。

 メンバーは職場各部署から集められた20代後半から、30代半ばの社員10名、
内女性は5人、月2−3回のペースで社内の人事・労務制度や生産向上、働き方
改革に必要な制度や仕組みなどを議論してきた。昨年末に第一次最終案がまと
められ、1月下旬に経営層に提言を発表する筈になっている。

 細かな内容は割愛するとして、全体的な印象としては決して若い人は「時短」
を望んでいないのだなあ、ということである。そもそも同社の労働時間が長く
ないこと(仕事が物件毎のプロジェクト型が多く、3ヶ月−半年は仕事が集中
するが、後の9−半年は定時にほとんど終わる)もあり、反面、残業代が減る
ことに抵抗があることもわかった。また、生産性を上げることでも、周囲との
調整業務ばかりで自身で時間管理が難しい仕事もある他、そもそも仕事や事務
の生産性を上げるための努力や工夫を意外にしていないと素朴に感じた。

 パート社員の確保・定着に向けて各社は時給を上げる。結果、103万、106万
の壁が勤務時間の短縮につながる…こちらを立てればあちらが立たず的なこと
が至るところで起こっている。
 それが現実とはいえ、難しい問題だとつくづく思う。


             (2018/01/29 人材開発メールニュース第959号掲載)


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