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働き方改革と言われるけれど
 現在、人材開発の現場において「働き方改革」の話題は、ホットなテーマの
一つです。「働き方改革」に関しては、テーマへの関心が高い、その必要性を
感じながらも、現場で中々進まないという話も聞きます。その原因の一つとし
て同じテーマで話し合っているにも関わらず、論点がずれていることが挙げら
れます。

 特に働き方の「方」に関して、様々な価値観が混在しています。「方」の持
つ意味合いには、System(制度)、Style(形式)、stance(姿勢)等、様々
です。働く制度的なことを言っている人もいれば、働く形式・形態・条件的な
ことを言っている人もいれば、働く姿勢・勤労観みたいなことを言っている人
もいて、話がかみ合わないことも多いようです。最初に話し合うべき「働き方」
は何なのか整理することも必要です。

 さらに突き詰めると、働き方改革は労働生産性を向上させるための手段の一
つです。そのためには、どのような労働生産性を目指すべきか、またそのため
には、それぞれの現場でどのような労働生産性の課題があるのか、本来はそこ
からスタートすべきです。

 しかし、多くの現場ではいきなり「何かを変えなければ…」という話になり
前述の通り、様々な「方」に関する話になってしまい、訳がわからなくなって
しまう…そういう状況に陥ることもあるようです。

 労働生産性向上に関しても、生産性向上が自分や自分の所属する組織にどん
な影響があるのか、自分事として捉えることが必要です。労働生産性を向上す
ると言ってもピンと来ない、自分事として捉えられない場合は、さらに上位の
概念も必要です。「生産性向上が本当に必要なのか」、「自分にとっての生産
性向上とは何か」、「生産性向上をすることで何を得るのか」こういった問い
に対して、納得感(腹落ち感)が必要ではないでしょうか。
 大事なテーマであればあるほど、目的が大切になります。何を大切にするの
か、何を目指すのか、原点を意識することが必要です。


             (2017/12/04 人材開発メールニュース第952号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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