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就職指導の現場から・2017年秋(2)
 さて、改めて、今年の就活生の状況だが、自身が多少のんびりしていても、
外野−特にリクルートやマイナビなど就活ナビサイトやそこを通じての企業、
あるいは、大学に企業が直接来てのアプローチがすごい。

 特に、今年顕著なのが、インターンシップのお誘い、更に言えば“ワンディ
(一日)型”の急増である。加えて、大学への直接のアプローチが大幅に増え
ている。毎週水曜日に大学に行っているが、毎回、2−3社のインターンシップ
勧誘のチラシを配っている。

 内容はさまざまだが、一言で言えば会社説明会的、学生との接触、顕在化、
優秀な学生の囲い込みのスタート手段としてのインターンシップである。そし
て、今年はもう一つ、注目すべき点が見られた。私の行く大学は東海地区にあ
るが、インターンシップの開催が東京か、大阪の場合、交通費を支給する企業
が多いのである。新幹線代全額もあれば、上限1万円もある。1万円貰えると、
学割を使って名古屋−大阪間はほぼタダになる勘定で、学生負担がなくなる。

 更に、某企業では現場実習というインターンシップで、6時間の現場体験に
時給でアルバイト代が出るのである。インターンシップ=アルバイト=人手不
足解消=職場体験=仕事理解=学生顕在化=あわよくば囲い込み=内定出し…
一石二鳥どころか、五、六鳥を狙っているかのようである。

 思えば、バブル就職・採用期を彷彿させる。その時期に採用に関わるように
なった私にはディジャブ感が拭えない。その当時、私のモニターになった私立
大学生は就活で交通費稼ぎで100万円貯金して社会人になった。そんな学生も
既にいるのかもしれない。

 今年も、企業と学生の、狐と狸?の攻防が始まる。
 いや、既に始まっている。


             (2017/11/27 人材開発メールニュース第951号掲載)


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