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コミュニケーションを見える化する
 職場内のコミュニケーションの現状を把握する方法の一つとして、コミュニ
ケーションマップを作成することがあります。コミュニケーションマップは、
様々な作り方がありますが、オーソドックスな方法としては、職場内の人物の
名前を書き出し、人物間のコミュニケーションの頻度を、コミュニケーション
が多いところを太い線で、少ないところを細い線で表すことで、どこの頻度が
高い(低い)を見える化する手法です。

 個別で作業をやっていただくわけですが、当然のことながら人によって頻度
の高低の認識も異なり、二者間においても一方は高いと思いながら、他方は低
いと認識しているようなケースもあります。いずれにしても、組織内のメンバ
ーが日常のコミュニケーションをどのように認識しているかを見える化するこ
とで、より良いコミュニケーションのあり方を検討する方法です。

 さらに細かく見ていく方法として、コミュニケーション頻度(回数)と時間
を分析する方法もあります。前述の通り、コミュニケーションが多い・少ない
は、人によって認識が異なります。多い・少ないを判断する基準(目安)とし
て回数を重視する人もいれば、一回当たりの時間を重視する人もいます。
 実際の回数や時間をチェックすると改めてコミュニケーションの偏りがわか
るとともに個人間または組織間の認識の違いを確認することができます。

 細かくチェックしなくても、「多い」−「少ない」、「長い」−「短い」を
五段階位でチェックするだけでも、ある程度の傾向は把握できます。色々な組
織を見る中で、メンバーの不満度が低い組織は、時間よりも頻度が高い傾向が
あるようです。まとめて話す傾向が強い組織よりも細目に話す傾向が強い職場
の方が、共有度が高まるのではないでしょうか。

 人口減少と共に今後益々雇用形態が多様化・流動化することが予測されます。
職場には様々な価値観を持つ人が混在することになり、今まで以上にコミュニ
ケーションのあり方が問われます。コミュニケーションマップに限らず、様々
な角度からコミュニケーションの見える化を図り、メンバーの知恵を集めなが
ら、より良いコミュニケーションを作り続けることが求められます。


             (2017/09/11 人材開発メールニュース第940号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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