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採用ノウハウを身に着ける前に
 人手不足の深刻度が増し、新卒採用においても、多くの企業が苦戦している
状況です。中でも採用スタッフ・ノウハウが乏しい中堅・中小企業においては、
かなり状況が深刻化しており、弊社にも採用に関する相談が増えています。

 相談に来られる企業の多くは、募集をかけても人が集まらない、集まったと
しても他社に流れていってしまう…その状況に危機感を感じ、採用に関するノ
ウハウを取得したいという相談がほとんどです。

 危機感を持って取り組まれることは素晴らしいことですが、苦戦している多
くの企業は、前述の通り「募集をかけても集まらない」「集まったとしても他
社に流れてしまう」という状況でありながら、身に着けようとしているノウハ
ウは、学生が集まっている、存在していることを前提にしている少し前のノウ
ハウのようなこともあり、身に着けようとされているノウハウそのものがミス
マッチを起こしているケースもあります。

 たまに学生に対して「就職活動のノウハウを身に着け過ぎだ」、「ハウツー
に走り過ぎだ」と批判しておきながら?企業側が採用ノウハウを懸命に覚えよ
うとするのも、何となく変な感じだと言えます。
 中堅・中小企業ほど既存のノウハウを身に着けるよりも、独自にノウハウを
生み出す、創り出すような意識がなければ、益々難しくなるのかもしれません。

 勿論採用ノウハウも大切ですが、もっと言えば、採用活動を活き活きと行っ
ているかどうかがポイントだと言えます。学生側からすれば、たくさんの選択
肢がある中で、採用そのものを暗い雰囲気や嫌々やっているような雰囲気だと
どんどん離れていくのは当たり前だと言えます。ノウハウも大事ですが、その
前に気持ちよく人材を受け入れようとしているか、採用に対するビジョンや心
構えも必要だと思われます(それもノウハウかもしれませんが…)。

 最初の問いかけは「本当に採用が必要ですか?」だと言えます。
 そこからもう一度自社にとっての採用を考えていくことが必要ではないでし
ょうか。


             (2017/08/28 人材開発メールニュース第938号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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