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新卒採用の現場から・2017年夏(2)
 ディスコが発表した6月1日時点の大卒の内定率、実に63.4%、前年同期比8.5
ポイント増である。建前通りであれば、「6月1日から」選考が始まるのである
からこの時点で6割もの学生に内定が出ているはずはないのだが、まあ、これが
実態であろう。

 5月1日時点での内定率が37%前後であったことも驚きだが、そこから1ヶ月
で26ポイント近く内定率が上昇したことを考えると、5月が選考の集中期に当
たることが鮮明になり、3月1日解禁、5月準大手、中堅クラスの選考ピーク、
6月中旬最大手内定ピークの“超短期型”の採用・就職戦線ということなる。

 私のお手伝いしている大学もそうだが、実は学生の内定保持数にはかなり格
差があり、複数組は3−4社持っているが持っていない者はもちろん、1社しか
内定を取れていない(それも大半が不本意内定)の学生の二極化が一層広がっ
ている。

 となると、何が起こるか。当然だが複数所持組は不要な内定を辞退する、不
本意組もどこかで今の内定と差し替える、そうこれからは「内定辞退」との戦
いが待っているのである。

 6月に入って、早くもその洗礼を受けている企業も多いのではないか。
 ほんの一握りの企業以外、内定を出しても地獄、出せなくても地獄…。
 この学生の売り手市場は、景気動向等にも多少左右されると思うが、少なく
とも20年は続く。


             (2017/07/17 人材開発メールニュース第933号掲載)


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