Back Number

雇用ストレスを生み出す
 6月に入り新卒採用も急ピッチで進んでいるようです。今年は、地方におい
ても早い展開で進んでいる印象を受けます。

 採用で苦戦している企業では、「いい人が採れない」から「いい人が来ない」
へ変わりつつあります。人が集まる企業とそうでない企業の二極化が益々進ん
でいるようです。

 人口減少が加速する状況ですは、「いい人が来ない」ことを改善するよりも
「いい人が来ない」ことを前提として採用戦略、人事戦略、経営戦略を検討す
る必要があります。100%望むような人材ではないが、限られた時間、限られ
た場所、限られた業務、限られた条件等で、勤務できるような人材を組み合わ
せてマネジメントする必要性が高まっています。

 新卒採用に限ったことではありませんが、採用・人事担当者の方と話してい
ると、要望を満たしていない人材を採用しようとすると現場やトップからクレ
ームが来るということをよく聞きます。

 しかし前述のように、人手・人材が限られている中では、企業側の要望に添
った人材を調達することが難しくなりつつあります。したがって多少これまで
の要望とは異なる人材も調達する必要があります。異なる人材を入れて、企業
側・組織側が変化を求められる場面が増えると言えます。受け入れる人を探し
続けるのではなくて、受け皿を変えるような発想も必要です。

 実際に要望と異なる人材が入ってくると、組織の中では様々な反応が起こり
始めます。前向きに調和しようとする反応もあれば、異物を取り除こうする反
応もあります。これまでと異なる刺激を受けて、結果として組織の生命力の強
化につながることが望ましい姿です。

 どんな刺激・ストレスであれば、創造的な変化が起こりやすいのか?
 自社・自組織の強化につながる雇用ストレスを生み出すことが今後の人材開
発部門・担当者には求められるのではないでしょうか。


             (2017/06/26 人材開発メールニュース第930号掲載)
                          humanize:吉次 潤


Go to Back Number Index
Go to Top Page