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就職支援の現場から・2017年春(2)
 先日、リクルートキャリア社が発表した2017年3月1日時点、4月1日時点それ
ぞれの大卒内定率を見て衝撃を受けた。まず、「3月1日」時点ですよ、この日
から、企業と学生との接触開始日でありながら“6.2%”、4月1日(実質は3月
31日時点となるのだろう)が14.8%である。世の中、プレミアムフライデーな
んて楽しんでいる間に、内定率は10%を早々と超えてしまった。

 このままでいけば、例年の内定出しのピークといわれる5月GW前後の30-40%
超えは予想に難くない。人手不足、少子化による18歳人口の減少、確保の困難
さ、当然のこと、売り手市場化が加速され、それが更なる採用選考の早期化に
つながり、学生から見れば短期集中型の就活になる(といっても、前半期に採
用予定数が確保できずに選考を続ける企業も多いだろうから、今後もチャンス
は続く)。

 一方で、企業側は今後の時間が経過するとともに、例年以上に選考辞退・内
定辞退も増えることが予想され、内定者の確保と維持に躍起にならざるを得な
いであろう。私の教え子でも内定報告とともに、「ここは取りあえず」「ここ
は滑り止め」「ここは練習台」。CMの台詞ではないが「俺は何なんだ」の問い
に「保険!」とキッパリと答える。内定を一社でももらうと強気になるのはわ
かるが、「オイオイ…」と一言言いたくなる。

 まあ、協定なんてどこ吹く風、早々と選考を進めて「我が社が良ければ…」
と確保に走る企業と五十歩百歩、お互い様ではあるが。

 さて、今年はどのような推移で進むのか。楽しみでもあり(もちろん、教え
子の内定)、怖さも感じる。


             (2017/05/08 人材開発メールニュース第923号掲載)


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