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個性を引き出す採用面接を
 三月以降、街にリクルートスーツの学生の姿が増えています。売手市場が続
く中で、学生を確保することも今まで以上に困難な状況になり、また人口減少
が進む中で、この不足感は短期的なものではなく長期的に続くことが予想され、
定着・戦力化が課題になっています。より自社にあった人材を採用するために、
採用選考をどうするか、採用担当者の悩みは増えているようです。

 また、長く採用を担当されている方から、最近の学生の傾向として、名前が
覚えにくいという話をよく聞きます。名前が覚えにくい理由として、どの学生
も見た目も似たような格好で、質問に対する回答も似ている、そのため個性が
掴めないという話をよく聞きます。

 そのため面接の場面では、今まで以上に応募者の個性を引き出すことが求め
られています。もう少し企業側の立場に立てば、企業が求める採用基準に基づ
いた個性の引き出しが求められています。

 個性を引き出す面接の一つの進め方として、これまでの経験を聞き出し、そ
の経験とのかかわり方に焦点を当てる方法があります。具体的には、過去の経
験(出来事)をできるだけ詳しくヒアリングを行い、その中でどういう「かか
わり方」をしたのか、またそのかかわり方で良かった点と悪かった点を聞く方
法です。

 面接に慣れていない場合、過去の経験については、ある程度ヒアリングして
いるものの、そこで止まってしまうことが多々あります。折角過去の経験(出
来事)を聞き出したのであれば、それに対する応募者の関与の仕方、あり方を
聞くとより個人の特徴が浮かび上がってきます。経験とヒトという観点でのヒ
アリングが増えるとより個性を掴みやすくなります。

 面接によって企業の印象は大きく変わります。売手市場が続く中では、面接
という場は、企業側が学生を選考する場でもありますが、同時に学生が企業イ
メージを判断する場にもなっています。学生が自分のことを表現できる場をい
かにつくるか、将来的にも(入社後も)自分のことを表現できるイメージを持
てるか、面接の持つ意味合いは大きくなっていると言えます。


             (2017/04/10 人材開発メールニュース第920号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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