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採用の独自性は内部から
 人口減少・人手不足が進む中で、採用の成果を何人採用できたかでなく、ど
れだけ戦力化できたかで判断することが求められています。特に、採用に関す
るノウハウやリソースが少ない中小企業では、より独自性の高い活動をしなけ
れば、自社の戦力化につながる人材を見出すことができなくなりつつあります。

 自社(組織)に必要な人材を獲得するためには、オリジナリティの高い採用
活動を進めていくことが求められます。色々な方法はありますが、中手企業に
おいては、独自性を打ち出すために二つの視点から整理する方法をお勧めして
います。一つは、情報源の独自性、もう一つは調達源の独自性です。

 情報源の独自性とは、自社(組織)しか持ち合わせていない情報になります。
特に人材に関する情報というと、従業員の方々の情報を整理するという視点が
必要です。よく「求める人物像」をまとめる段階で、ありふれた?一般的な?
キーワードを使用すると他社との違いが見えないということもあります。
 独自性を見出すためには、今現在、どんな人がどんな想いで働いているか、
どんなきっかけで入社して、どんな活躍をしているかをありのままに伝えた方
が伝わりやすくなります。さらに将来的には、こんな人も増やしたいというこ
とが加味されると、オリジナリティが高いPRが可能になります。

 もう一つの調達源の独自性も、採用告知、採用情報を伝える際にマス媒体だ
けでなく独自のネットワークを活用できるかが鍵です。
 従業員、関係者、取引先など、今現在どんな人たちとつながっているのか。
「採用」を考えた時にどのネットワークやリソースは活用できるのか、また活
用できていないものはどうすれば活用できようになるのか、さらには今後のど
う拡げていくべきかを明らかにすることです。中小企業の場合は、マス媒体で
大手企業と同じ土俵で勝負するよりは、独自の調達源を開発した方が、採用を
進めやすくなります。

 いずれにしても、採用活動で独自性を発揮するためには、外部(社外)から
ではなくてまずは内部(社内)、現在の自社(組織)の人材を再点検するとこ
ろからスタートすることをお勧めします。まずはそこにある資源を有効活用す
ることが必要ではないでしょうか。


             (2017/03/27 人材開発メールニュース第918号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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