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ビジョンとコミュニケーションする
 今年最初のワンポイント・アドバイスです。
 本年もよろしくお願いいたします。

 経営や組織運営においてビジョンを共有することが必要だと言われます。そ
の一方で人材開発や組織開発の課題として、よく「ビジョンが共有できていな
い」という話題が出てきます。しかし、その状況を詳しく分析してみると、本
当にビジョンが共有できていない・認識できていない場合とビジョンは認識し
ているものの機能していないという場合があります。実際の現場では、後者の
方が多いと言えます(機能していないから共有できていない・認識できていな
いという意見もありますが…)。

 最近がビジョンを言語化・文字化を積極的に力を入れているケースも多く、
言葉としてのビジョンは、認識・理解されているものの、自分のものとしてい
る受け入れている度合いとしては高い人もいれば、そうでない人もいてバラバ
ラなのが問題だと相談を受けることもあります。

 考え方は様々ですが、個人的にはバラバラなのが当たり前だと考えています。
将来のありたいイメージをビジョンと考えると、同じものを見ているが、それ
ぞれ見ている人の位置によって見え方が異なるのは当然です。わかっていない
わけではなく、同じビジョンを見ながら、見え方が異なっていることを前提に
それぞれの立場・立ち位置にあった施策が必要です。

 ビジョンとコミュニケーションするという表現を使うこともありますが、ビ
ジョンを見るだけでなく、自分の位置または関係者の位置からはどのように見
えているかを確認してビジョンの全体像を把握するような作業が必要です。組
織で働く人材も多様化が進む中で、全体像を把握することを促進する多様な人
材開発が今後ますます必要になるのではないでしょうか。


             (2017/01/16 人材開発メールニュース第908号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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