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働き方改革と風土づくり
 今年最後のワンポイント・アドバイスです。
 皆さんにとって、どんな一年だったでしょうか?

 今年は、「働き方」「働き方改革」に関する話題が多かったと言えます。人
口減少や少子高齢化が進む中で、より多くの人が活躍できる社会づくりが求め
られています。数年前から、労働力が減少するという話題を取り上げていまし
たが、実際に体感する場面が増え、危機感が加速的に高まっています。
 その一方で、長時間労働や過労死の問題なども度々取り上げられ、これまで
当たり前だった働き方や労働観・勤労観についても、もう一度見直そうという
動きが徐々にではありますが、胎動しています。

 今後は自分の働き方や組織の働き方を定期的に点検することが益々必要にな
ります。労働力が限られる中で、調達や補充は益々難易度が高まります。働き
手と働く機会を提供する企業・組織は、均一ではなくてもある程度のバランス
を取ることができなければ、お互いに存続が厳しくなることもあり得ます。双
方で「どうありたい」のか意見や思いを対話しながら均衡点を見出していくよ
うな運営が必要になります。価値観やライフスタイルが変化、多様化する中で
個人と組織と言った構造だけでなく、働いている個人同士もお互いにどうすれ
ばもっと働きやすくなるのか、そこでも均衡点を見出すコミュニケーションが
必要です。

 企業や組織側の対応も勿論必要ですが、個人側も自分の考えていることや思
っていることを形にすることが求められます。前述の通り、個々の状況や意見
も刻々と変化しています。一度形にしたら終わりではなく、何度も何度も丁寧
に形にしていくことが求められるのではないでしょうか。

 働き方を変えて行くためには、「人事に関する制度」や「ICTなどの技術・
ツール」も勿論必要ですが、もっと大事なものは、その組織の「風土」だと言
えます。風土は与えられるものではなく、その場にいる・参加する人々によっ
て形成されるものです。個々人や組織が何を伝えれば、お互いの満足度が高ま
るのか、風土づくりが組織力となって如実に反映される時代です。風土をつく
る担い手として、経営と人材をつなぐつなぎ手として、人材開発・組織開発に
携わる人の役割は益々重要になると考えられます。


             (2016/12/26 人材開発メールニュース第906号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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