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高齢化社会という現実を前提に
 少々、旧聞の情報になるが、六月に総務省が公表した2015年国勢調査結果
(抽出速報)で、初めて全国の都道府県で65歳以上の高齢者の割合が15歳未満
の「子ども」の割合を上回ったという(これまでは前回の2010年調査では、唯
一、沖縄県が「子ども」の数が上回ったが) 。

 総人口に占める高齢者の割合は26.7%に達し、全国的に高齢化のテンポが早
まっているのを改めて実感する。

 しかし、実感していても何も変わらない。といって、介護などの受け皿作り
の遅々として進まない状況、脆弱で負担ばかりが増える社会保障制度の抜本的
見直しに際して、日本の政治はあまりにも無策だと感じる。

 以前、日本の主要閣僚である人が、ある講演の中で「90歳になっても老後が
心配とか訳のわからない事を言っている人がテレビに出ていたけど、お前いつ
まで生きているつもりだ、と思いながら見ていました」と発言したが、長生き
して愚痴の一つ言うだけで話題にされる世の中は逆に哀しいし、わびしい。

 高齢化社会(実際は高齢社会)という現実を前提として、世の中の意識や仕
組みを変えていくとともに、安倍政権が現在掲げている「一億総活躍社会」で
の政策課題化が待たれるところである。


             (2016/11/21 人材開発メールニュース第901号掲載)


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