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越境を積極的に作り出す
 組織改革を進めていく上でのキーワード一つとして「越境」があります。越
境とは、その名の通り境を超えることですが、これまでの習慣や活動領域を超
えて異なるもの、新たなものと交わるという意味合いです。

 越境という行為や越境する人が現れることで、組織の中にゆらぎが起り、変
化が起こり始めます。越境が起こりやすい環境では、変化のスピードが早まり、
より大きな変化が起こりやすいと言えます。

 組織を健全に運営するためには、基盤として「安全・安心」であることが、
まず求められます。安全・安心が担保された上で始めて活発なコミュニケーシ
ョンが成立します。しかしそれだけでは、既存の延長線上で健全な運営には寄
与するものの新しい価値を生み出す、いわゆるイノベーションを生み出すには、
物足りないこともあります。既存の枠組みを超えて新たな価値を創造するため
には、越境というアクションが求められます。

 越境が起りやすい人や組織の共通点として、「前提を問う」「当たり前を問
う」ということが挙げられます。頻繁に「前提を問う」「当たり前を問う」こ
とが実行される、その回数が多いところでは、当たり前ですが?越境が起りや
すいと言えます。

 「うちの組織は、イノベーションが起りにくい」と言われる方もいます。最
初からイノベーションを生み出そうとするよりも、イノベーションを下支えす
る越境を創造する試みが必要ではないでしょうか。越境しようとする人を後押
しする環境づくり、越境して来た人を温かく迎え入れる環境づくり、この二つ
を積極的に行うことが重要です。
 さらに、越境を促進しようとした際に、湧き上がってくる阻害しようとする
力(怖れ)を丁寧に扱うことが大切だと言えます。
 皆さんの周りでは、どの程度越境者がいますか?


             (2016/10/31 人材開発メールニュース第898号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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