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意思疎通を図るためにモノサシを確認しよう
 チームで仕事を進めていく時に、「進め方をどこに合わせるか?」が課題に
なることがあります。具体的に言えば、できている人に合わせるのか、できて
いない人に合わせるのか、早い人に合わせるのか遅い人に合わせるのか?様々
な考え方があります。

 できる人、早い人に合わせなければ、切磋琢磨する雰囲気にもならず、チー
ムが停滞してしまう、先陣を切って頑張っている人が報われないという意見が
あります。
 一方で、できていない人、遅い人に合わせなければ、いわゆるボトルネック
が解消されず、いつまでたってもチーム全体が良くならないと言われることも
あります。

 それぞれの現場での状況は異なるため、一概にどちらが正しいということも
言えませんが、まずは組織ごとに特徴があることを理解する必要があります。
できる(早い)人に合わせ、できない人を排他的に扱うような組織もあえば、
逆にできない(遅い)人に合わせ、早い人を排他的に扱う組織もあります。そ
れぞれ組織の風土として定着している進め方があり、無意識で進められている
こともあります。

 また少し違う観点から考えると「早い」ということについても、捉え方がバ
ラバラだったりします。特に正確性やアウトプットを意識すると、ただ単に仕
事のスピードのことを言っているわけではなく、これも個々人やその組織おい
ての早さの意味がバラバラだったりします。私(たち)にとって、求められる
「早さ」とは何か?、改善をするにしてもまずは「どこで測っている」のか、
モノサシを合わせる必要があります。

 様々な価値観を持つ人材によって組織が編成される傾向が強くなる中で、益
々意思疎通が課題になります。少なくともまずは、判断基準となるモノサシの
意味やイメージは定期的に確認することが必要ではないでしょうか。


             (2016/08/08 人材開発メールニュース第887号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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