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丁寧に現場の声、今を拾い上げる
 最近、フィールド調査でインタビューをする機会が増えています。これまで
も商談をしたり、プレゼンをしたり、カウンセリングしたりすることで、聴く
ことに意識を持ちながら進めているつもりですが、改めて基本に立ち返って作
業を確認すると、できていないことがたくさん見えてきます。

 具体的には、基本に立ち返ってボイスレコーダーで録音しながら、自分でイ
ンタビュー内容の文字起こしをしています。インタビュー内容を聞き返しなが
ら、文字起こしするのは非常に手間がかかる作業ですが、そこで気づくことは
たくさんあります。反省することばかりですが、改めて自分がやっていること
を客観的にチェックすることは必要だと痛感します。

 特にインタビュー中にメモを取っていますが、どうしてもメモする時は、相
手の言葉を自分の言葉で要約してしまうことが多く、折角話していただいた内
容をありのままに受け取ることできていません。
 加えて、自分の言葉で置き換えてしまったメモを見ながら、質問を進めてし
まうと、さらに相手が話したいことが話せなかったり、相手が気づき始めたこ
とをかき消してしまったり、ちょっとした自分の奢りで勿体ない結果になって
いることがあります。

 言い訳にしてはいけないと思いますが、やはりインタビューが続いて、自分
自身のコンディションが悪いと、どうしても雑な展開になります。勿論インタ
ビュー中は、そう言ったことが無いように留意しながら進めているつもりです
が、レコーダーの内容とメモの内容を見比べると、自分のコンディションによ
って雑な展開になっていることも反省すべき点です。

 自省も含め、現場の声や想いを丁寧に拾い上げるには、できるだけ相手の言
葉を忠実に、そのまま拾い上げる必要があります。素材としては加工せずに、
そのまま記すことが必要です。特に相手の言葉の中にある、動詞・形容詞は忠
実にそのまま残すことをお薦めします。名詞ではなく、動詞や形容詞に着目し
て残すことをお薦めします。

 人材開発や組織開発に限ったことではありませんが、現場の声や想いを吸収
して、何かの形にしたり、未来につなげて行くことが今後益々増えていくと思
われます。そのためにはどれだけ今を丁寧に扱えるかがポイントです。勿論、
言葉以外の表現も注視していく必要がありますが、見えている、また聞こえて
いる言葉から丁寧に扱うことが必要ではないでしょうか。


             (2016/07/25 人材開発メールニュース第885号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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