Back Number

会社説明会のデザイン・見直し
 今年もある程度新卒採用のピークが終わりました。よく言われている通り、
売手市場の傾向が強く、採用できた企業とそうでない企業の二極分化がさらに
進んでいます。
 今年は就職(採用)活動開始時期は、昨年と同じでしたが、選考開始時期が
二か月早まったため、企業側からすると、説明する期間が短かくなりました。
企業規模に限らず、知名度が低い企業は告知する期間が短くなったため、さら
に採用活動で苦戦しています。

 最近では、一括採用を避けるためにも早くからインターンシップなどを開催
し、より早い時期から学生と接触を図り、企業情報や求人情報を知ってもらう
取り組みも増えています。インターンシップに積極的に取り組むか否かも含め、
知ってもらう機会をいかに作るかは、今後大きな課題になります。

 学生に良く知ってもらいたいと考えると、一般的により多くの情報を伝えよ
うとする動きが増えます。しかし、学生側がまだライトな時期(応募意欲も高
まってなく、数多くの企業を詮索している時期)に説明会の内容が大きくなっ
たり、重くなったりすると、返って学生は敬遠する方向に動き出します。伝え
ようと思えば思うほど、逃げていく、そんなことが起こっています。

 そういう状況の中で、今年も何社かの企業説明会のデザイン・見直しをお手
伝いさせていただきました。いつも最初に点検するのは、会社説明会の項目と
時間配分を円グラフで分析する方法です。昨今は、同じ時間またはさらに短い
時間の中で、核となる情報を伝えることが求められています。時間の使い方が
鍵になるので、まずはどの項目「何に」どれだけ時間を使っているかを確認し
ながら進めます。
 その上で、求める人物や学生の置かれている状況に応じて、説明を長くする
項目、短くする項目を決めていきます。項目や時間配分がある程度決まったと
ころで、再度その項目を、「誰が」「どのように」説明するかを決定していき
ます。説明会に限ったことではありませんが、今の時間を半分もしくは3分の1
で実施するとどうなるかを考えると、少し見直しが進めやすくなったります。

 どこまで準備するかは、企業側の方針次第だと言えますが、限られた時間の
中で勝負するのか、しないのかも選択する必要があるのではないでしょうか。
いずれにしても慢性的に人手不足が発生する中で、いかに経営に必要な人材を
調達するかは、これから益々重要になると考えられます。


             (2016/07/11 人材開発メールニュース第883号掲載)
                          humanize:吉次 潤


Go to Back Number Index
Go to Top Page