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就職指導の現場から・2016年夏
 6月1日より、新卒の採用選考が解禁されて1ヶ月経った。といっても、今年
は事実上、ほぼ終盤戦であり倫理憲章(新・就職協定)は形骸化してしまった。

 私の教え子は残念ながら大半が「5月31日まで頑張った」学生が大半で、6月
1日以降での登場は極限られた数であった。5月31日まで「面接」という表現は
使わず、私に報告があったものには「面談」「意識合わせ」「人事との意見交
換」「交流会」…といった工夫?した表現での接触、選考が進んでいた。

 ところで、今年、マスコミ等で取り上げられるワードに“サイレントお祈り”
がある。
 元々は、企業からメールで送付される不採用通知の「今後のご活躍をお祈り
いたします」などの末文から出た「お祈りメール」が元の言葉だが、最近は不
採用者にはこのお祈りメールさえ届かないことを指して「サイレント(沈黙)
メール」と言う。
 多数の応募者に不採用通知を送るのが大変という理由もあるが、選考通過者
や合格者が内々定等を辞退したときの“補欠”の確保・保険として、あえて意
思表示をしないということが一部には見られるようである。昨年も同じような
現象があり、私などは「サイレント引き延ばし」と言っていた。

 学生にとっては、その企業の志望度が高ければ高いほど、宙ぶらりんの状態
は生殺しに近い。精神的によくないのはもちろんである。

 もっとも、企業側も学生からは、返す刀でドタキャン、連絡なしでの欠席は
日常茶飯事、「サイレント辞退」を浴びている。
 どっちもどっち!なのかもしれない。 


             (2016/07/04 人材開発メールニュース第882号掲載)


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