Back Number

近年の新入社員のタイプ・ドローン型/消せるボールペン型
 毎年恒例、日本生産性本部発表のその年の新入社員のタイプ命名であるが、
平成28年度は「ドローン型」−『強い風(就職活動日程や経済状況などの目ま
ぐるしい変化)にあおられたが、なんとか自律飛行を保ち目標地点に着地(希
望の内定を確保)できた者が多かった。さらなる技術革新(スキルアップ)に
よって、様々な場面での貢献が期待できる。内外ともに社会の転換期にあるた
め、世界を広く俯瞰できるようになってほしい。なお夜間訓練飛行(深夜残業)
や目視外飛行は規制されており、ルールを守った運用や使用者の技量(ワーク
ライフバランスへの配慮や適正の見極め)も必要。』以上が、その説明である。

 毎々、世の中の話題ワードと巧みに的確に結び付けたうえでの理由付けは毎
々感心する。ただし、些末な言葉尻を捉えるつもりはないが、「自律飛行」の
言葉に引っかかるが、「俯瞰できる力」を備えてもらいたいと切に願う。

 ところで、昨年度は「消せるボールペン型」であった。
 『みかけはありきたりなボールペンだが、その機能は大きく異なっている。
みかけだけで判断して、書き直しができる(変化に対応できる柔軟性)を活用
しなければもったいない。ただ注意も必要。不用意に熱を入れる(熱血指導す
る)と、色(個性)が消えてしまったり、使い勝手の良さから酷使しすぎると、
インクが切れてしまう(離職してしまう)』。

 すっかり受注数は数少なくなったが、某企業の一年目フォローアップ研修を
3月末に担当してきた。6ヶ月フォロー研修も担当しているのだが、その際に見
た元気が良く一番目立った個性的な新人が退職していた。退職理由は詳しく聞
く由もないが、インク切れというよりも、自分からその企業での足跡と未来を
“消そう”としたことは想像に難くない。

 その企業に残ったのは「消せるボールペン型」もいたと思うが、一年後を見
ると「普通の油性ボールペン」だけが残ったような気もする。皆さんの会社の
新卒、二年目はいかがであろう。


             (2016/05/23 人材開発メールニュース第876号掲載)


Go to Back Number Index
Go to Top Page