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就活スケジュール再変更、変わるもの・変わらないもの
 ご存じの通り、学生の就活スケジュールが一年で変更になった。3月1日エン
トリー開始、8月1日採用選考開始が、8月1日が6月1日に「前倒し」になった。
後ろ倒ししたと思ったら、前倒し…いやいや忙しいばかりである。

 変更決定までの迷走もトホホ…である。発議は決めた経団連ではなく、日本
商工会議所、日程変更で大手に学生を奪われている中堅以下の企業からの怒り
や不満噴出の果てである。

 それを受けて経団連で検討に入ったわけだが、ネット上では経団連首脳の母
体企業で、協定違反、フライングしている情報が飛び交い、加盟企業でも協定
が守られていないようである。

 今年の就活戦線を象徴する言葉「オワハラ」。
 この内容も問題だとは思うが、私はもう一つの言葉『サイレント』が気にな
ってしょうがない。学生が黙って企業の応募を辞退する、内々定を辞退する…
といったことを表す言葉のようだが私が気になるのは企業側の『サイレント』
である。

 それは、採用選考の結果(特に、最終結果)を伝えないサイレントである。
なぜか、それは簡単。欲しい人材にはすぐに内定を出す。ところが得てして自
社が欲しいと思う人材には内定が集中する、すると自社を辞退される、結果、
採用予定数が満たせない。だから、ボーダーの学生に最終結果を伝えず、宙ぶ
らりんにする。内定者に欠員が出たらその補充に使う…だから、結果を伝えな
い。

 怖いことである。学生がつらい。もちろん、ボーダーであることが問題かも
しれないが、学生にはどうしょうもないことである。

 日程は変わる。だが、若年労働者不足は変わらない。
 そして、争奪戦も変わらない。


             (2015/11/30 人材開発メールニュース第853号掲載)


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