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テクノロジーがもたらす可能性と畏れ
 少し前になりますが、ワールド・カフェ20周年記念イベントに参加いたしま
した。改めて色々と学ぶことがたくさんありましたが、一番驚いたのは、ワー
ルド・カフェを取り巻くテクノロジーの進化でした。当たり前に、様々な境界
を越えてオンラインでワールド・カフェができる環境になっていることが驚き
でした。

 ワールド・カフェに限らず、テクノロジーの進化によって、コミュニケーシ
ョンの可能性が大きく広がっています。eラーニングが提供するコンテンツは、
拡大する一方で、また学習者同士がやりとりができるようなインタラクティブ
性も高まっています。よく集合研修で実施されるような、グループ毎に実習を
行い、全体に共有する方法もオンラインで実施できるようになっています。

 正直なところ、個人的には遠隔ではコミュニケーションの細かい部分のやり
とりが難しい、リアルな場で対面に実施しなければ難しいという考えを持って
いました、しかし最近のテクノロジーの進化を見ると、リアルな場との違いを
感じないどころか、逆にこれまでリアルな場ではできなかったことが、オンラ
イン上では実現できるようになっています。グローバル化と言う点では、言葉・
言語の壁もテクノロジーがカバーする時代になるのではないでしょうか。

 学習環境におけるテクノロジーが進化を続ける中で、これからも様々なツー
ルやノウハウが開発されます。テクノロジーによって「できること」の領域が
拡がる中で、ツールやノウハウを何のために使うのか、より生活や社会とのつ
ながりをどう捉えるかが大切になります。技術が進化することで生み出される
新たな可能性と新たな畏れを注意深く捉えることが必要です。
 テクノロジーのもたらすメリットとデメリット、開発者の視点と利用者の視
点、学習や生活の豊かさ、テクノロジーのあり方が問われる時代になると言え
ます。
 いつの時代でもそうですが、「リアルな場に期待されることは?」「リアル
で学ぶことの意味や意義は?」、事業展開や組織づくりにおいても今後益々、
どうあるべきか、スタンスが問われる場面が増えるのではないでしょうか。


             (2015/11/23 人材開発メールニュース第852号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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