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就職指導の現場から・2015年夏(2)
 7月中旬、いよいよ今年の就職・採用のクライマックス?未体験ゾーンであ
る、「8月1日採用選考開始」の日が迫っている。

 とはいっても、前回も書いたが、倫理憲章に拘束される(義務ではない)企
業レベルで内々定が出ているのは事実であり、某情報誌の調査では、4割近い
学生に内定が出ているとのことで既に形骸化している感もない。

 一方で、8月1日から内定を出しても、他社の内定を蹴って自社に来るだろう
と考えている企業は協定通りに動く。そもそも、業界上位企業であれば、自社
の内定前に業界下位の複数の企業の内定を取ってこいと考えているだろう。

 ところが、である。焦りから早く内定を出す企業も多いが、それ以上に内定
を出した後、さまざまな圧力をかける「おわハラ−就活終わらせろハラスメン
ト−」の出現には驚きを隠せない。
 内定後、内定誓約書(入社承諾書等)の即提出、連帯保証人?の書類提出、
就活終了宣言の強要(もちろん表面上は要請)、リクナビ等の就活ナビからの
退会強要(要請?懇願?)、スーツのタンス入り…実はこんなことを内定先か
ら言われた教え子が一人いる。
 もちろん、相談を受けたときには「おわハラ」という言葉は知らなかった。
想像すらつかなかった。

 しかし、その後、マスコミ報道などで知るにつれ、横行していることを知る。
 それをやって学生からどう思われるかも気がつかないのだろうかと思う。自
らがブラック企業宣言しているに等しい。

 もちろん当該学生には表面的に同社に合わせ、次の内定を確保したら辞退し
ろと言ってある。本人も納得している。



             (2015/07/20 人材開発メールニュース第835号掲載)


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