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小さな変化を自ら生み出す
 部下育成や後輩指導を推進する場面において、部下や後輩に「どう変化を与
えるか」を考えることは重要です。部下や後輩がどんな変化を起こすと、本人
や職場に良い影響をもたらすか、何を変化させるかを明確にすると、指導のポ
イントや目標設定のテーマなどが明確になります。

 特に最近では、ICT技術の発展に伴い、定型業務の処理スピードが格段に速
くなり、一つの業務に割り当てる人数が減る傾向です。業務の高度化や細分化
が進む中で、一人ひとりに専門性が求められ、担当領域が明確になればなるほ
ど、職場で孤立化する人材が増えています。これまで通り同じことを懸命にこ
なしていても、気づかない間に周囲の変化から取り残されることもあります。

 部下育成や後輩指導の場面でも大きな変化ではなく、小さくても絶えず変化
(進化)することが必要です。自分の業務に小さな変化が起これば、何らかの
新たな動きが連動していきます。
 小さなことでもいいので「変える」ことを絶えず行うワークスタイルや風土・
文化があるかどうかは、個人レベルでも組織レベルでも生命力が大きく異なり
ます。

 本当に安定している企業・組織は、常に変化を繰り返していますが、中途半
端に?安定している企業・組織では、これまで上手くいった方法を忠実にリプ
レイしようとするので、変化への対応が遅れることもあります。
 また変化が少ない組織においては、「変化は必要だが、うちの会社(組織)
では理解が少ない…」という話がよく出ます。確かに組織や上司の理解が少な
いのかもしれませんが、会社組織や上司に頼った変化ではなく、自分の周囲で
生み出せる小さな変化にフォーカスして、自分事として捉えることが必要です。

 部下育成・後輩指導においても最終的には、変化を自ら考え、動き出すよう
になることがゴールです。誰かが手取り足取り変化させるのではなく、自ら変
化を生み出す人材をどう確保するか、今後の人材開発・組織開発の大きなテー
マです。

             (2015/06/01 人材開発メールニュース第828号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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