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組み合わせで可能性を拡げる
 最近、ある人事担当者の方と話している時に、新人や若手の育成をする際に
注意することが難しいと言う話が出ました。
 全てと言うわけではありませんが、注意すると委縮してしまい、今まで良か
ったところも消極的になることがあるという話でした。注意の仕方も様々です
が、良い部分を消さず(減らさず)に、場面・状況に応じた行動ができるよう
になるにはどうすればいいか?悩ましい所です。

 場面・状況に応じた行動ができる前提として、自分の行動の特徴(クセ)を
知る、その行動のメリット・デメリットに理解を深めることが必要です。
 いきなり行動を変えるというよりも、まずは自分の行動の特徴を把握した上
で、場面・状況に応じた通用する部分とそうでない部分、メリット・デメリッ
トを整理することが求められます。

 それを促す一つの方法として、他のメンバーとの組み合わせで何ができるか
を考えてもらう手法があります。自分の行動をセルフチェックする前に、自分
と他のメンバーが協力するとどんなことができるか、できるのでは?も含めて
できる範囲の広がりを考えてもらう方法があります。
 
 単に自分の行動をセルフチェックすると、経験が少ない新人・若手の方は、
できていないことや不足していることに焦点が当たりがちになり、「ここを変
えていきます」という反省ムードになります。
 一方、組み合わせを考える方法は、反省と言うよりも、新たなアイデアを生
み出す、前向きな感じで作業が進んで行きます。例えば、自分と、Aさん、B
さんが一つのチームになると、どんなことができるのか…組み合わせを考える
プロセスで自然とメリット・デメリットも整理されます。

 いずれにしても、新人・若手の育成においては、自分だけに目が向くのでは
なく、広く視ることがことが必要です。自分のことを反省するよりも、他者と
の組み合わせで可能性を考えることに時間をかけることが望ましいのではない
でしょうか。

             (2015/04/27 人材開発メールニュース第824号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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