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売り手市場では小さな積み重ねを
 3月1日から本格的に就職(採用)活動がスタートしました。今年は、人手不
足感も伴い、学生優位の売手市場だと言われています。また採用スケジュール
が後ろ倒しされたことで、スケジュールが短縮化され、一斉に会社説明会が始
まったことから、説明会の集客に苦戦している企業が増えています。
 特に地方の企業、中小企業など、知名度がさほど高くない企業は、大手企業
が積極的に全国各地で採用活動を展開していることもあり苦戦しているところ
が増えています。

 説明会の集客が上手くいかない理由として、市場的な要因は大きいと言えま
すが、やはりそれだけではありません。学生にとって有意義な説明会を開催で
きれば、少ないかもしれませんが口コミで参加者が広がっていきます。
 しかし、学生側が求めている情報を考慮せずに、企業側が伝えたい情報だけ
を発信しているようであれば、やはり人は集まりません。

 また集客が上手くいかない企業の担当者ほど、市場に対して否定的な見方を
しています。「今年は…」「今の学生は…」「難しい…」、説明会で否定的な
話をするわけではありませんが、何となく伝わるものがあり、学生にとっても
つまらなく映ってしまします。否定的な見方をすると反応が悪くなり、さらに
否定的な見方に陥ると言った悪循環も多いと言えます。

 確かに集客が難しいのかもしれませんが、その環境の中で参加している目の
前の学生一人を喜ばせることができているのか?満足させることができている
のか?真摯に考える必要があります。
 あまり興味も持たずに来ている学生かもしれませんが、まず目の前の一人を
大事にする、小さな積み重ねが大切です。知名度が高くない企業、採用人数が
さほど多くない企業の場合は、一人ひとりに丁寧にアプローチすることが益々
求められると言えます。

             (2015/03/16 人材開発メールニュース第818号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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