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若手リーダー研修その後・変化と成長
 「人は死ぬ3日前まで、性格を変えられる」
 前回取り上げたA.アドラーの言葉である。この言葉の真意は本に譲るとし
て、私はこの1−2月に「人はこれだけ変われる(成長できる)」ことを目の当
たりにした。

 一社は昨年8月に、もう一社は10月11月に研修を行った受講生である。共に
若手リーダー層にその役割認識と自覚を促し、リーダー行動として組織目標を
掲げその達成を阻害する課題解決への取り組みを、職場で実践していく研修と
現場活動の組み合わせ的研修である(割と一般的なパターン)。そして、その
現場での取り組み成果の中間報告が一社は1月に、もう一社は2月に行われ、私
も講師としての関わりから、その場に立ち会わせてもらった。

 一社は10人、もう一社は15人の成果発表であった。もちろん全員が…とは残
念ながら言えない。また、取り上げたテーマの水準も決して高いとは言えない
メンバーも多かった。
 しかし、その取り組み活動は目を見張るものが多く、一番の驚きは、これま
でのプレイヤー的行動が、部下・後輩を巻き込んで一緒に解決を図ろうとして
いることである。いつしか、「私が」「俺が」の主語が、「メンバーが」「我
がチームが」「部下が」と主客入れ替わっていることにも気づく。

 「リーダーとして行動しているな」とわかるのである。明らかに成長してい
るのである。ボソボソと発表していた人が、堂々と大きな声で、メンバーの挙
げた成果を発表しているのである。

 こういう仕事をしていると、新人レベルは別として研修後の変化を目の当た
りにすることは少ない。
 たまたま二社ではあったが、関わった甲斐があるそんな結果に接することが
できたのが嬉しい。

 ちょっぴり春の暖かさに触れたような気がした。


             (2015/02/23 人材開発メールニュース第815号掲載)


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