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アドラー心理学ブームを考える
 「嫌われる勇気─自己啓発の源流「アドラー」の教え」(ダイヤモンド社 
岸見一郎 古賀史健 共著)、この本がベストセラーになったことにより、火
がついたように広がりブームとなったアドラー心理学。今、書店にはマンガ編
も含めて「入門」「実践」「教え」等の言葉がさえられて、数多くの関連本が
並んでいる。

 私の師匠で、アドラー心理学のイロハから教えてくれた方の本も多数出版さ
れている。その勢いは「フランクリン・コービィの7つの習慣」もしのぐほど
である。

 私は、20年以上、アドラー心理学に触れてきており、日本アドラー心理学会
会員、アドラー・カウンセラー協会認定の初級カウンセラーでもあり、ヒュー
マンスキルの研修などでは、「アドラー」の名称を出す、出さないはあっても、
私の精神的・理論的支柱として活用している。だから、このブームは本心から
うれしいと思う。

 実は、そうした関連出版本を眺めていると、数多く出されているわりには、
日本アドラー心理学会という本家本元の手による本は出版されていない。

 もちろん、岸見氏のように、日本アドラー心理学会認定のカウンセラー・顧
問もいるが、見落としも多いと思うが、会長レベルの学会幹部の著書は見あた
らない。まるで、ブームと一線を画しているようにも映る。

 それにしても、ドラッカーにしても、アドラー、コービィにしても、マンガ
編になると、何で若い女の子で、同じような顔の娘になっちゃうのかね。そし
て、「マンガでわかる…」と銘打っている割には文字が多い(わからないでも
ないが)。

 内容は個性的(それぞれ独自の理論、スタンス、世界観)であっても、表現
方法の差異化は難しい。


             (2015/02/09 人材開発メールニュース第813号掲載)


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