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縦横で情報バランスを考慮する
 組織コミュニケーションの課題を確認する時に、縦系統(タテ)の情報と横
系統(ヨコ)の情報、其々の状況を確認するのは一般的な方法の一つです。

 ここでいう縦とは、上司−部下といった指示・命令系統の情報伝達のことを
指します。上から下だけでなく下から上も含めて確認します。一方、横は同僚
間、メンバー間の情報伝達のことを指します。

 縦横のコミュニケーションの状況は、企業や組織ごとに特徴や傾向がありま
す。縦と横のバランスが企業文化・風土の一因になっていると言えます。
 縦と横が同じ程度である必要はありませんが、急にコミュニケーションが悪
くなった場合は、これまでと異なるバランスになっているのかもしれません。
いきなり上司から命令される場面が増えたり、部下からの報告が減ったり、メ
ンバー間の意見交換が少なくなったり、縦横のバランスが変わると、これまで
と異なる雰囲気になることが多々あります。

 最近の傾向として横の情報量が増えたと言われます。情報技術が発展し、イ
ンターネットやSNSが普及する中で、社内だけでなく社外からの情報も入手し
やすくなり、主体的でなく受身であっても勝手に情報が流れてきます。

 確かに時代と共に、横系統の情報量は増えていますが、実際は量が増えると
言うより偏りがひどくなっていることの方が多いと言えます。横からの入手ル
ートはたくさんあるにも関わらず、特定のヒトや特定のチャネルと言った、一
部分の情報が増え、万遍なく増えているのではなく、偏った情報に晒されてい
ます。例えば、ものごとには良い面と悪い面がありますが、良い面だけの情報、
悪い面だけの情報では、その段階でたくさんの抜け漏れがあります。偏った情
報では、情報量が増えれば増えるほど現場に混乱が発生します。

 組織を運営する管理者は、今後益々の情報バランスを注視していくことが求
められます。縦系統がしっかり機能しているか、そして横系統が偏っていない
か、特にメンバーの元気が無くなった時には、横系統の情報がどうか確認する
ことが必要です。今の組織・チームの状態では、縦を増やすべきか、横を調整
すべきか、管理者が状況を把握し、素早い対応を図ること望まれます。


             (2014/12/01 人材開発メールニュース第804号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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