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残業削減でなく、何を実現するか
 最近、「残業代ゼロ」法案に関する話題が増えています。約10年ほど前に日
本経団連が「ホワイトカラーエグゼンプションに関する提言」を掲げた時も、
このメルマガでもよく取り上げました。その時も結局導入までは至りませんで
したが、様々な価値観があり、簡単には収束しないテーマだと言えます。

 法案の流れとは少し異なるかもしれませんが、以前から残業削減をテーマに
した研修やコンサルティングをお手伝いすることがあります。ただ、いつも最
初に指摘することですが「残業削減」をテーマに掲げても、上手くいくことは
ほとんどありません。
 残業削減を否定しているわけではありませんが、残業は現象(症状)であり
問題(真因)とは言えません。残業の要因を分析して、様々な残業削減案を検
討し、実行に移す場面も見てきました。確かに一時的に残業(現象)が抑制さ
れますが、それは現象(症状)を抑えただけであり、また何かのタイミングで
現象が現れる…そういう繰り返しを多々見てきました。

 残業を減らすという現象を抑える発想も必要ですが、一方で異なる課題設定、
もう少し大局からの着想も必要です。
 またよく指摘されることですが、残業に限らず、「〜しない」「〜をなくす」
「〜禁止」等、行動を制限するアイデア出しは、アイデアそのものも制限され
ることが多く、解決ではなく回避するアイデアが増える傾向にあります。

 そもそも残業=悪ではなく、残業のメリットも考えながら、残業削減ではな
く、何を実現すべきかを設定することが必要です。
 残業削減の先に、何があるのか?残業削減が目標(ゴール)ではなく、その
先の突き抜けた所に目標(ゴール)を設定することが求められます。
 皆さんの周りでは、残業削減のその先に何がありますか?

             (2014/06/02 人材開発メールニュース第779号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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