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ハラスメントの背景
 一部の企業・職場では、人手不足が深刻化し、職場環境が悪化し、さらなる
人手不足を招くといった悪循環に陥ってることもあります。

 人手が足りなくなり、一人当たりの業務量や業務範囲が異常に膨らむ中で、
余裕がなくなり職場がギスギスして環境が悪化しているという話題はよく出ま
す。酷いところではハラスメント(いじめ、嫌がらせ)がエスカレートし、メ
ンタルの不調者が増えているところもあります。

 ハラスメントに関する相談は年々増えています。ただハラスメントに関する
対策の状況は、今起こっている問題にどう対処するか、ハラスメント行為者を
見つけ出し、どう対応するかという、対処療法が多いようです。勿論対処療法
も必要ですが、特定のヒト(行為者)だけに起因する問題ではありません。

 例えば、今時はそうでもないかもしれませんが、以前は中学・高校の部活動
ではイジメやシゴキと呼ばれるものがありました。イジメやシゴキが激しい先
輩がいると、「あの先輩がいなくなれば…」と言いながら、いざその先輩がい
なくなってもまた同じことが繰り返されることが多々あります(例外もありま
すが)。イジメやシゴキを受けていた下級生が、先輩になると当たり前のよう
に?繰り返す場面を見ると、特定のヒトに起因する問題ではないと考えられま
す。誰かのせいにするのではなく、その部活動の場の雰囲気や関係性など、さ
らにはそこに存在する伝統的な?考え方に起因する問題もあると言えます。

 職場で起こっているハラスメントも同様で、行為者(個人)だけの問題だけ
でなく、行為者を含んだ職場の雰囲気や関係性を丁寧に確認しなければ、問題
が解決しないどころか悪化することもあります。
 いかにしてハラスメントが発生しにくい環境をつくるか、いかにしてハラス
メントが継続できない環境をつくるかが今後益々求められます。

             (2014/05/19 人材開発メールニュース第777号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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