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就職指導の現場から・2014年春
 4月第3週のなった途端、学生から内定報告のメールが入り出した。結構、有
名どころの社名もあり、就職環境の好転の兆しが感じられる。

 リクルートワークス研究所が発表した2015年大卒求人倍率は1.61倍と、前年
より0.33ポイントプラスになった(昨年1.28倍)。企業の採用意欲は十分に高
まっているとは思うが、果たして企業の採用基準に適った学生がどのくらいい
るのか、その点は少々不安になるが…。

 「内定ゲット!」で躍動感あるメールが届く一方、ほぼ同じ時期に「『学生
時代に打ち込んだこと』の書き方がわかりません」と驚くようなメールが届く。
この学生、年明けくらいまで自己PRの添削で何度かやり取りし大凡出来上がっ
たので、次は『学生時代に打ち込んだこと』か『志望動機』に取り組んでと言
ったと思うが、それから3ヶ月音信不通状態であった。便りのないのは無事な
証拠とばかりに関心が薄れていたところに、いきなりのメールである。

 「現在使っている(企業に提出している)ものを送って」と返事をして、返
信を見てみると自己PR時点からの成長はまったく見られず、提出し選考される
レベルに至っていない。「この3ヶ月、何をやっていたの?」と思わず質問し
たくなるほどである。どうやら、エントリーシートが通過しない、面接でも一
次で落ちる、の繰り返しだったようである。

 しかし、「なぜ、今頃」という想いが募る。もっと前に連絡してくればとは
思うのだが、本人が自分でやることであり、外野が云々することはやめて、添
削指導で寄り添ってやることしかできない。その自分が歯がゆい。

 そんな中、また一人、迷える子羊からメール、今度は「自己PRが書けない」
との訴え。おいおい、今から自己PRかよ、と言いたいが、更なる戦いに自分を
鼓舞するばかりである。

             (2014/05/12 人材開発メールニュース第776号掲載)


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