Back Number

内定者フォローは入社後をイメージして
 先日、リクルートワークス研究所より2015年3月卒業予定者の大卒求人倍率
が発表されました。来春2015年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人
倍率は1.61倍と、前年の1.28倍より+0.33ポイントと大幅に上昇、企業側の積
極的な採用意欲がうかがえます。

 採用が活発になる中で、今年は内定者フォローの取り組みを見直したいとい
う相談が増えています。企業側の採用意欲が高まると、一部の学生には重複内
定者が増える傾向にあります。重複内定者は、採用意欲が高くない時期でも発
生しますが、採用活動が活発になると、重複者の人数や割合は変わらなくても、
重複した人の保有する内定社数は増加する傾向にあります。内定者をどう管理
するかは悩みどころです。

 内定者フォローにおいて、上手く上手くいかない、様々な要因がありますが、
一番大きな要因は、ゴール設定にあります。上手くいっている組織では、ゴー
ルを入社後に設定しています。例えば、入社後半年の新卒者の状態や求められ
る状態をイメージし、そこから逆算して、入社時、入社前3か月、入社前6か月
にやるべきことを計画化しています。入社して活躍していただだくためにいか
にソフトランディングするかに力を入れています。

 一方、上手く行っていない(内定辞退が多い、早期退職者が多い)組織では、
入社がゴールであったり、内定出しがゴールであったり、いずれにしてもその
前後での対応の温度差が激しいところが多いと言えます。特に早期退職者が多
い組織では、ギャップ・温度差と言うキーワードが頻繁に出てきます。

 売り手市場の傾向が強まる中で、内定者へのフォローが手厚く・楽しく行わ
る動きも一部では強まっています。しかし、入社後に温度差やギャップが大き
く生じる手厚い?フォローは、お勧めできません。むしろ逆効果だと言えます。

 大切なのは入社した後に双方(内定者・迎え入れる組織)の満足度が高まる
ことにあります。双方の満足度が高めるような内定者フォローにあり方・仕組
みが今後益々必要です。

             (2014/04/28 人材開発メールニュース第775号掲載)
                          humanize:吉次 潤


Go to Back Number Index
Go to Top Page