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採用手法は目的にあわせて
 先日、ユニークな採用事例を紹介するセミナーを企画・運営しました。セミ
ナーを準備するに当たり、色々な採用事例を調べました。告知、説明会、選考
とそれぞれのプロセスで本当に様々な方法があると感心しながら、同時にやは
り採用手法はあくまでも手段であり、改めて「何のために」という目的を忘れ
てはならないと再確認しました。

 事例を参考に他社が実施しているユニークな手法を真似することもできます
が、求める人材(像)と合致していなければ、あまり意味がありません。ユニ
ークな部分が学生に受けて、運よく採用することもできるかもしれませんが、
採用時に謳っていたものと入社後に求めるものが違っていると、やはり定着・
活躍する可能性が低くなります。

 人口減少が進む中で、今後採用は益々難しくなると予測されます。今まで以
上に求める人材像を差別化することも必要です。「差別化」と言うと他社とは
異なるものを打ち出すと思われるかもしれませんが、むしろここでの差別化は、
より細かく、より鮮明に人材像を描くということです。知名度が低い会社であ
ればあるほど、より細かく、より鮮明に描くことで、抽象的になりやすいイメ
ージから少し輪郭をはっきりさせ、他社と似ている部分もあるが、自社ではこ
こを重視しているという差別化が必要です。

 倫理憲章の変更を控え、採用活動は後ろ倒しにしながら、一方で学生との接
触は早期化しようという動きが強くなっています。一部では、採用は「戦略を
推進するための人材を獲得する」ことが目的なので、その方法は「どんな採り
方でも、何でもありだ」と言われることもあります。
 たしかに、目的を達成するための方法は様々と言えます。特にこれまでのや
り方に囚われずに自由に発想することも大事です。しかしだからといってどの
ような方法でもありということではなく、採用プロセス、設計から実施に至る
プロセスも、企業の風土・文化が色濃く反映されるため、今後は採り方も含め
て企業の存在価値が問われると言えます。

 基本ではありますが、企業の規模に関係なく労働市場から支持を得るために
は、「こういう人材が必要なので、こういう採用方法を行います」という説明
が、外部の人にとってもわかりやすい、共感を得やすいことが求められます。

             (2014/02/10 人材開発メールニュース第764号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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