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倫理憲章変更で、採用の多様化を期待
 12月に入り就職活動が解禁となりました。次年度は「倫理憲章」が見直しさ
れるため、現行のスキーム(?)では最後になります。さて来年は、どうなっ
ているでしょうか?

 企業側に目を向けると、次年度以降の予測がつかないことと景気の回復と共
に現場での人材不足感が高まっていることもあり、例年以上に積極的な採用活
動を行っている企業が増えています。

 12月1日に地元で開催されていた合同説明会にも顔を出しましたが、企業側
の採用意欲が高まっている一方で、学生側の反応はまちまちの感じでした。あ
る程度、目的意識を持っている学生にとっては有意義なイベントですが、ただ
足を運んだ学生にとっては戸惑うことが多かったようです。

 いずれにしても、ナビを利用した就職活動や合同説明会を開催する方法は、
以前はより幅広い情報を提供できるツールでしたが、情報量が増え続ける中で
アドバンテージを持つ企業と学生がより大きなアドバンテージを得るツールに
なっています。情報が偏重することで、返って効率的ではなくなり、制度的に
は限界に近づいているように見受けられます。倫理憲章の見直しは、賛否両論
ありますが、結果的には採用の多様化が進む一因になるのではないでしょうか。

 価値観が多様化する中で、多様な人材の持つ能力をいかに開くかは、今後、
大きな課題になります。当然、入口の採用に関しても、もっと多様な方法が増
えることが望まれます。しかし、その一方で、新たな採用手法は、すぐに賛否
が問われることもあります。方法の良い・悪いは、極端の話、当事者が判断す
ることで、最初から良い・悪いを決めつけるだけでなく、様々な方法があるべ
きです。多様な方法が展開される中で、増えていく方法もあれば、消滅する方
法もあるという感じで、もっと自由な流れに任せることが必要です。

 採用が多様化すると学生が混乱するのでは?という意見もありますが、そも
そも「迷う」ことは悪いことではなく、このタイミングで将来のことを考え、
迷い、選択・決断することは、必要なことです。その選択・決断は、ゴールで
はなくスタートであり、この先何度も職業人生の中で様々な選択・決断が求め
られます。

 企業側も多様化することをメリットとして捉え、採用だけでなく定着・活躍
までをイメージしながら、もっと必要な人材を戦略的に考え、できるわかりや
すい形で市場に情報発信することが必要です。

             (2013/12/09 人材開発メールニュース第756号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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