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大リーグ挑戦に思うこと・2013年冬
 私が予想するまでもなく、今年のプロ野球のMVPは、楽天・田中投手、ヤクル
ト・ヴァレンティン選手に決まった。24連勝に60本塁打、ギネス記録並の成績
を出せば当然の受賞といえる。しかし、日本一の球団エースと、セ・リーグ最
下位のホームラン王、チーム成績を比べれば好対照の受賞でもある。

 田中投手のすごすぎる実力は誰もが認めるところだが、皆さんは24連勝のチ
ーム別内訳をご存じだろうか。結論からいうと、日本ハム8敗、オリックス5敗、
ロッテ3敗、西武・ソフトバンク各2敗がパ・リーグ、交流戦では巨人2敗、阪
神・DeNA各1敗である。

 私は田中投手の実力は大いに評価するが、反対に負け続けた相手球団、特に、
一年で8敗、5敗もしてしまった球団のふがいなさを誰も指摘しないのもおかし
いと思う。交流戦2敗の巨人は、日本シリーズで土をつけて最低限の意地を見
せたとは思うが、他の球団にいたっては何をしていたのか!と思う。新聞報道
を見ていても、バント攻めしたとか、球数を多く投げさせるためにカット戦法
に徹したとかの工夫を報道するものは皆無に等しかったのではないか。

 お互いプロ同士なのではないのか。プロでもこれだけ実力差があるのを容認
していいのか。以前、ダルビッシュ投手が大リーグに行く理由の一つとして、
「自分が投げると対戦相手に諦めのムードが漂う」として、張り合いのなさを
感じたといったコメントを聞いて田中投手が出てくると、「もう負けた」と思
ってしまうのは、お金をもらってプレイを見せるプロとして恥ずかしくないの
だろうか。

 だから田中投手には大リーグに挑んで欲しい。日本のプロは田中投手にとっ
て戦うに値しない選手ばかりだからだ。
 ポスティング制度がやや難航しているが、海の向こうでのダルビッシュ投手
vs田中投手の投げ合いを見たい。

             (2013/12/02 人材開発メールニュース第755号掲載)


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