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ますます求められる戦略的な採用
 企業の採用活動(学生にとっては就職活動)がある程度落ち着く時期になり
ました。落ち着くと言っても、企業側・学生側共に二極分化傾向が強まる中で
採用できた企業もできなかった企業もモヤモヤしているところが多いようです。

 今年は採用意欲が多少回復したこともあり、内定をもらう学生に少し変化が
あったようです。一番大きいのは、重複内定をもらう学生の率は変わらないも
のの、重複内定をもらっている学生一人当たりの内定社数が増える傾向が顕著
だと言われています。昨年よりも、内定をもらう学生は、よりたくさんの企業
から内定をもらっているようです。

 そのため、今年は内定辞退や選考辞退が増える傾向にあり、既に内定出しを
実施した企業もまだまだ落ち着けない状況だと言えます。

 もう一つ企業側の声として、量より質を重視した採用(厳選採用?)を目指
したが、結果として、質が悪くなるという悪循環に陥ったという話題も増えて
います。中堅から大手企業では、採用数を減らすもしくは維持する一方で、よ
い人材を採用したいと言われます。しかし、現場で起こっているのは、対象を
絞り込むほど、リスクを回避する傾向が強くなり、採用に限ったことではあり
ませんが、厳選すればするほど無難な選択をする傾向が強まります。
 結果として大胆な発掘や起用ができず、最終的には質も落ちてしまったと言
われる場面が増えています。

 悪循環の陥らないためには、基本的ですが採用の方針を明確にすることが必
要です。上手くいかないところは、厳選することは決まっているものの、何を
厳選するのか?落とし込みや共有化が図れていないところがほとんどです。
 逆に言えば少し見直せば、戦える要素はたくさんあります。少子化が進む中
で、採用を戦略的に取り組むことが益々求められています。何を獲って、何を
捨てるのか、そういう選択も今後必要になるのではないでしょうか。

             (2013/08/19 人材開発メールニュース第740号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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