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営業研修の現場から・2013年夏(2)
 6月から月1回、一日コースではあるが、某販売会社の営業マンに「提案書の
書き方」の研修を始めた。ざっくりと提案書の書き方の基本を解説したうえで、
実在の企業(個々の営業マンの攻略先)を想定して提案書の大凡の内容を書い
たものをその場で添削指導してくという、結構ハードなもので、その性質上、
1回10人に絞って開催している。

 その中で、一番感じたのは、営業として攻略企業のことを「知らないなあ」
ということである。新規などはなかなか情報入手が難しいと思うが、それでも
どのようなニーズ、課題を抱えているかもヒアリングしないまま、あるいは、
仮説も設定せず闇雲な提案、自分勝手な提案、自社都合の提案のいかに多いこ
とか!

 二つ目は、この提案を導入すると「どんな利益」を提供するのか、相手先が
対価を支払うにふさわしい効果・ベネフィットの提示が少ないのにも驚いた。
すべてが定量的に示せるかは別(ちなみにこの会社の製品・サービスは大半が
数字で示せる)として、説得力が乏しいし、相手は動く気がしない。

 三つ目は、提案書のタイトルになぜダイレクトに提案の効用や達成できる数
字を入れて惹きつけないのか、それも物足りないものであった。私の持論は企
画書はタイトルが命。タイトルで企画内容の70%が分かる、この提案・企画は
何を実現するものなのかをストレートに提示するのがタイトル、といったこと
を手取り足取り伝授に示している。

 ところで、6月第2週に実施した研修の受講生から人事部を通じて早速の効果
があった旨の連絡、商品で差異化の難しい現代、本筋・本質を基盤にちょっと
した工夫で勝敗が分かれる時代でもあるのではないか。

             (2013/07/15 人材開発メールニュース第736掲載)


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