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世界で戦える人材が求められる中で
 先日、新たな成長戦略 〜「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」が策定されまし
た。アベノミクスの第三の矢として策定されたものですが、そこでも「世界で
戦える人材を育てる」というテーマが大きく取り上げられていました。

 年々と言うと言い過ぎかもしれませんが、グローバル人材の育成が必要だと
いう声が高まっています。経済のグローバル化、少子高齢化・人口減少に伴う
社会構造の変化に対応するためには、益々グローバル人材の育成は必要になる
と言えます。その一方で、今回の成長戦略にも取り上げられていましたが、日
本人としてのアイデンティティを高め、日本文化を世界に発信することの必要
性も取り上げられました。

 最近の企業内教育のトレンドの一つに、グローバル化?が上げられ、多国語
教育や海外留学・視察などが急増していますが、目的が見えないままに進めら
れているケースも多いようです。そういう取組を否定するわけではありません
が、大事なことは、グローバル化に適応することであり、グローバル化に迎合
することとは異なります。

 グローバル化への対応については様々な選択肢があると言えます。例えば、
海外のマーケットに積極的に展開する方法もあれば、敢えてそういう流れを理
解しながら、ローカルに特化していくという方法もあります。
 また、一般的にはグローバル化の流れが強くなればなるほど、流れに抵抗す
る反グローバル的な動きが強くなることも予測されます。

 どれが正解というわけではありませんが、グローバル化が進む中で、どう自
らのアイデンティティを構築するかは、大きな課題です。その一方で、グロー
バル化という言葉だけが独り歩きし、その意味づけが、個人や組織、様々な局
面で曖昧になったり、ズレが生じ始めているところもあるようです。
 グローバル化に適応するためにも、個人も組織も、それぞれどうグローバル
化と向かい合うのか、考えたり、整理する場が今後益々必要になるのではない
でしょうか。

             (2013/06/24 人材開発メールニュース第733号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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