Back Number

ブラック企業と騒がれる中で
 最近、ブラック企業に関する話題が増えています。たしかに色々と問題があ
るのかもしれませんが、個人的にはこのテーマに限らず、「ブラックとホワイ
ト?」「ブラックとブラック以外」と二極論で述べることに疑問を感じます。
確かに二つに分けて考える方がロジカルで、わかりやすくなりますが、実際は
それが全てではありません。

 学生の方からも、たまにブラック企業に関して質問を受けることがあります
が、大事なことは、誰がどう言っているかではなく、自分にとってどう意味づ
けられるか、どんな意味があるのかという点です。
 働く、生きていく上でなにが大切かということは、一人一人異なると言えま
す。また時期や環境によっても異なりますので、その都度自分にとってどんな
意味があるのかを判断することが必要です。

 100人が「あの会社はブラックだ」と言っても、自分はそう思わないという
ことであれば、それも一つの答えだと言えます。むしろ自分はそう思っていて
も言えない、言い出せないということであれば、その環境(組織、立場、コミ
ュニティ)の方が問題だと言えます。

 ブラックと呼ばれる企業を擁護しているわけではありませんが、働く個人と
いう立場で考えると、起きている事象を自分のライフキャリアとどう紐づけて
いくのか、意味づけていくのかが益々大事になると言えます。
 一方、経営側・企業側は今後益々透明性が要求される場面が増えます。法を
遵守しているのは勿論のことですが、現状こうなっている、こういう状態で働
いているなど…情報が開示される仕組みを持つことが必要です。情報が正しく
開示されていることが、結果として広く市場からの支持を獲得できることにつ
ながると言えます。

             (2013/04/22 人材開発メールニュース第725号掲載)
                          humanize:吉次 潤


Go to Back Number Index
Go to Top Page