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平成25年度新入社員考
 いよいよ今年も新入生を迎える季節になってきた。
 例年、日本経済生産性本部が発表する新入生のタイプ、昨年は復興のシンボ
ル「奇跡の一本松」タイプであった。残念ながら、地盤沈下で海水がしみ込み
塩分過多で衰弱していき、結局はモニュメントとしての保存になってしまった。
しかし、その費用1億5千万円にもなるという。本当にレプリカ的な保存でいい
のかと疑問だが、昨年度の新入生もお金をかけた割には生き生きと活躍できな
いと寂しい限りだか…。

 そして、25年度のタイプは『ロボット掃除機型』とのこと。「一見どれも均
一的で区別がつきにくいが、部屋の隅々まで動き回り家事などの時間の短縮に
役立つ(就職活動期間が2ヶ月短縮された中で、効率よく会社訪問をすること
が求められた)。
 しかし、段差(プレッシャー)に弱く、たまに行方不明になったり、裏返し
になってもがき続けたりすることもある。能力を発揮させるには環境整備(職
場フォローや丁寧な育成)が必要」という理由だ。

 前半は少々しっくりいかないところもあるが、後半は納得感が高い。私には
短縮された就活期間での行動は、「効率的というより、省力的、もっといえば
合理的、限られた時間の中でやれることしかやらない、やれないことは効率を
考えるよりも、やれることだけを選ぶ」しか、周囲の学生を見ていると感じて
しまう。

 手元にエントリーシートがたくさん来ていても、志望度の高さよりも、期限
内に書けるもの、書きやすいものを選んでいるとしか見えない行動が多かった
からだ。少なくともロボット型掃除機は、ソファやテーブルを移動させて、脚
の下(裏)までの掃除はできない。掃除ができるところしか、やらないのであ
る。

 とまあ、言い出したらきりがないが、是非、ロボット型掃除機の目覚ましい
活躍を期待したい。
             (2013/04/01 人材開発メールニュース第722号掲載)


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