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一つの機能では立ち行かない
 実体はともかく経済的には少し回復しているニュースが増えています。雇用、
特に新卒採用においては、各種就職サイトの掲載件数を見る限り、かなり増え
ています。同時に地方や、規模の小さい企業では、求人を掲載しているが、エ
ントリーが無い、少ないと言う声が増えています。

 恐らく今年は、企業も学生側も二極化がさらに進み、求人が増える一方で、
求職意思を持ち就職活動はしているものの決まらないと言ったミスマッチがさ
らに進むのではないでしょうか。ミスマッチと言うと、単に求人が無い(少な
い)状態で、ミスマッチを引き起こしているように思われがちですが、実際は、
求人はあるものの求職者の希望と合っていないという質的なミスマッチがほと
んどです。

 いずれにしても企業(採用)側は、計画通りに思惑通りに進まないことが予
想されます。同時に今後の労働力人口の推移を考えると、新卒採用だけで解決
できない課題が増えると予測されます。新卒・中途、雇用形態、またダイバー
シティといった観点も踏まえ、採用を戦略的に構築することが求められます。
また同様に採用だけで解決できない課題も増えます。育成、評価、処遇、配置
など、他の機能とどう組み合わせて考えるかが大事になります。採用と育成を
組み合わせて、採用と配置を組み合わせを考えると、こんな採用もできるので
は…バラエティに富んだ組み合わせが益々必要になると言えます。
 採用の領域に限らず、育成、評価、処遇、配置などの課題を推進する際にも
同様で他の機能との組み合わせを考えることが求められます。

 当たり前のことかもしれませんが、今まで以上に一つの機能に焦点を当てて
も、瞬間的には満足することがあるかもしれませんが、中長期的に見ると立ち
行かないことが増えると予測されます。経営や事業と同様に人材開発の分野に
おいても継続的に拡がりもった仕組みになっているかが問われます。
 企業・組織体の中で、もし役割が分業されているのであれば、分業されてい
る部門(担当者)同士のコミュニケーションが今後益々必要になります。

             (2013/03/11 人材開発メールニュース第719号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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