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コミュニケーションは、終りが無いテーマ
 先日、20代、若手の社会人の方々が、コミュニケーション能力について話し
合っていました。「コミュニケーション能力・スキルとして、これが大切だ」
という類の内容でしたが、何となく会話がかみ合っていない感じでした。コミ
ュニケーションについて話し合っているのに、コミュニケーションができてい
ない?複雑な?話です。

 様々な場面でコミュニケーション能力「誰かと上手くコミュニケーションが
取れる能力」が求められていますが、やはりその範囲はとてつもなく広大で、
前述の若手の方々の会話ではありませんが、ある意味完全にかみ合わないのが
普通のような気もします。

 昔からコミュニケーションは、よくキャッチボールに例えられます。一方通
行ではなく、ボールを投げたり受け取ったりする双方向であることが大切だと
言われます。このキャッチボールが成立する、成立させることにも様々な見方
があります。

 例えば、キャッチボールが成立するためには、投げることが必要です。どう
いうボールを?、どういう投げ方で?、どういうタイミングで?投げると相手
がキャッチしてくれるのか、キャッチし易いのか、投げ方を追求することも必
要になります。
 そう考えると、当然キャッチングも大切です。相手が投げてくれるには?、
投げ易くするには?どんな構え方やどんな姿勢がいいのか、受け方を追求する
ことも必要です。

 さらに最近、現場で言われているコミュニケーションは、もう少し高度化し
ている印象を受けます。投げる・受けるだけでなく、ボールを投げた上で、戻
って来るボールの軌道やバウンドを予測することも求められているような感じ
ではないでしょうか。

 どれをとってもコミュニケーション能力・スキルですが、どこに焦点を当て
るかをはっきりさせないと、能力・スキルが高まったかどうかも人によって判
断が異なります。コミュニケーションできている・できていないと言った思い
違いが、さらにコミュニケーションを減退させると言う悪循環が至る所で発生
しているようです。

 コミュニケーション能力・スキルを高めることは大切なことですが、能力・
スキルを高めれば、それだけで全て上手く行くとは限りません。
 これも当然ですが、コミュケーションは、相手あってのことになりますので、
その場・その状況・その人にあったキャッチボールが必要になります。場・状
況・人は、絶えず変化します。また、その場・状況・人に対峙する自分も絶え
ず変化しているはずです。投げ手・受け手が絶えず変化している関係性の中で
は、これが正解というものは無く、コミュケーションは、いつの時代でも終り
がないテーマであり、様々な可能性を秘めたテーマであると言えます。

             (2013/02/11 人材開発メールニュース第715号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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