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危機突破内閣への期待
 皆さん、あけましておめでとうございます。
 今年一年、皆様にとって良い年であることを祈念しております。

 昨年末、年の瀬選挙によって政権交代が行われた。自民党を中心とする政権
の再登場であり、“危機突破内閣”の矢継ぎ早の経済・景気対策を心待ちして
いる。

 特に、私の目の前にある危機、新卒の就職戦線の大きな改善を期待したい。
ご存じのように新卒求人倍率は微増で持ち直しの傾向がうかがえるが、大企業
の採用がさほど伸びていないうえ採用基準の高止まりで、実感としての新卒の
就職戦線は相変わらずの厳しい。もっとも景気や経営環境が原因ではなく、応
募する学生の実力が「採用に値するものか」どうかの問題もある。

 年末−年始と、今年も既に延べ1,000人ほどの模擬面接をこなしてきたが、
「これは!」と期待できる学生の少なさに人知れず涙を流す日々である。根気
よく、我慢強く、粘り強く学生の良さを引き出そうと質問を続けるが、返って
くる(返ってこない)答えに質問者側が立ち尽くすばかりで、対話そのものが
進まない。
 こうした学生に付き合う人事担当者のご苦労に同情を禁じ得ない。

 私はコミュニケーション能力の一つの尺度として「世間話力」を掲げている。
自身の話題の豊富さ、情況に応じた引き出しの出し入れ、そして相手の話題に
合わせられるかなどだが、面接合宿などでの食事時、いろいろと話を振っても
反応が鈍い。交流が深まらない。

 これでは厳しいなあと思っていると、模擬面接でも案の定、双方で立ち尽く
すのである。

 国富の基本は「人材にあり」だと思う。民主党政権で「ゆとり教育」はなく
なった。これだけの問題ではないが、新政権では、更に中長期の視点から『人
間力』を高めるような教育を進めてもらいたい。

             (2013/01/07 人材開発メールニュース第710号掲載)


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